FFシリーズの悪役といえば、世界を滅ぼそうとする圧倒的な存在を思い浮かべる人が多いはずです。
では、FF9のクジャはどうでしょう。銀髪に整った顔立ち、芝居がかった立ち居振る舞い。戦乱の黒幕でありながら、その行動の底には「死にたくない」という、あまりにも切実な恐れが横たわっていました。
だからでしょうか。クジャはシリーズ屈指の人気悪役でありながら、憎み切れない、という声がいつまでも消えません。彼は何に追い詰められ、何を壊そうとしたのか。ここでは、その軌跡をたどってみます。
※ストーリーの核心に触れる箇所があります。未プレイの方はご注意ください。
基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | クジャ |
| 種族 | ジェノム(テラの管理者ガーランドが造った人造人間) |
| 容姿 | 跳ねた銀髪と、中性的な顔立ちの美青年 |
| 立場 | 霧の大陸に戦乱をもたらした黒幕 |
| 声優 | 石田彰(ディシディアシリーズでの声) |
原作のFF9は音声のないゲームです。声優の情報は、後年の『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズへの出演にもとづいています。

ジェノムという出自
クジャを理解する鍵は、その生まれにあります。
ジェノムとは、ガーランドがテラで造った人造人間のこと。滅びゆくテラの民の魂を収めるための「入れ物」として作られた、と紹介されています。クジャはその試作品にあたり、ジタンよりも先に造られた存在です。
本来なら、廃棄されてもおかしくない存在でした。ところがジェノムにしては意志が強かったため、ガイアへ送り込まれたとされています。そこで彼に与えられた使命が、ガイアに戦乱をもたらすことでした。
しかもクジャには、命の期限が設けられていたといいます。使命を果たしたとしても、先に待つのは消えゆく運命。ここに、彼の絶望と執着の原点があるように見えます。
戦乱を起こした黒幕

物語の中で、クジャは霧の大陸に戦乱を広げていきます。
アレクサンドリアの女王ブラネを動かし、各国への侵略を始めさせた張本人でした。攻略資料でも「ブラネはクジャに操られているようだ」と記されています。武器商人として近づいた、と紹介する資料もあります。
黒魔道士を戦力として扱った点も、物語の重要な背景です。ビビの存在とつながる部分でもあり、FF9の「生きる意味」というテーマへ、静かに接続していきます。
やがてブラネが召喚獣の力を得ると、クジャを消そうとしてバハムートを召喚します。しかしクジャの呼んだ謎の目玉の影響で、バハムートはブラネ自身を攻撃。ブラネは命を落としました。

ジタンへの嫉妬
クジャの感情を最もよく表しているのが、ジタンとの関係です。
資料によれば、あとから造られたジタンは、クジャより能力が上でした。それに嫉妬したクジャが、ジタンをガイアに捨てた、と説明されています。二人は同じジェノムとして、兄弟のような間柄とされます。
兄のような存在に捨てられ、その兄と長い戦いを繰り広げる。構図だけ見れば、因縁の兄弟対決そのものです。憎しみの根にあったのは、優れた者への嫉妬と、自分が「出来損ない」と見なされることへの恐れだったのかもしれません。
死への恐怖と、テラの破壊

物語の終盤、クジャは大きな決断を下します。
ガーランドから命の期限が近いと告げられた彼は、自暴自棄になり、テラを破壊しました。その後はクリスタルを壊すことで、自分が救われようとします。最終決戦に登場するトランス・クジャは、その狂気の極みを象徴する姿です。
最終局面の「永遠の闇」は、クジャが死への恐怖に負け、クリスタルを破壊して救われようとした、と語ります。世界を壊した理由が「死にたくない」だった。この動機の小ささと切実さの落差こそが、クジャを忘れがたい悪役にしています。
最後の場面:ジタンの答え

クジャは、記憶の場所の最深部「クリスタルワールド」でジタンたちに倒されます。
しかしその後、崩壊するイーファの樹から仲間たちを脱出させたのは、ほかならぬクジャでした。そしてクジャを助けに戻ったジタンは、こう答えたと紹介されています。
誰かを助けるのに理由がいるかい?
かつて自分を捨てた相手を、ジタンは迷わず助けに向かった。この一場面に、FF9の主題が凝縮されているように思えます。
その後のクジャがどうなったのかは、作中ではっきり描かれません。資料によっては、エンディングの人混みに似た人物が映ることから、生存説も根強いとされています。真相は、プレイヤーの想像に委ねられています。

なぜクジャは愛されるのか
悪役なのに、なぜ人気が高いのか。理由は大きく三つあります。
ひとつめは美しさと芝居がかった存在感。登場するだけで画面が華やぐ、独特の魅力があります。
次に、動機の人間らしさ。壮大な野望ではなく、死への恐れから動いた点が、プレイヤーの共感を呼びます。
そしてはジタンとの対比。同じジェノムとして生まれた二人が、違う道を歩んだ結果が、物語に深みを与えています。
ちなみに『ディシディア』シリーズでは、本来のラスボスである永遠の闇を押しのけるかたちでFF9の代表として参戦しており、人気の高さを物語っています。

まとめ
クジャは、ジェノムとして生まれ、使命と寿命に縛られ、嫉妬と恐怖のなかで世界を壊そうとした悪役です。
けれども最後に彼を救ったのは、かつて捨てた弟の「理由なき善意」でした。悪役が悪役のまま終わらない。FF9がいまも愛される理由は、ここにあるのかもしれません。リマスターで遊び直すとき、ぜひクジャの言動の裏側にも目を向けてみてください。
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よくある質問(FAQ)
- クジャはなぜジタンを捨てた?
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あとから造られたジタンが、自分より能力が上だったため、嫉妬したとされています。ガイアに送り込まれたジタンは、そこで育つことになります。
- クジャの種族は?
-
ジェノムです。テラの管理者ガーランドが造った人造人間で、クジャは試作品にあたります。
- クジャの声優は?
-
石田彰さんです。原作のFF9は音声なしで、『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズでの出演にもとづく情報です。
- クジャはなぜ世界を壊そうとした?
-
ガーランドから命の期限が近いと告げられ、死への恐怖から自暴自棄になったためです。クリスタルを壊すことで救われようとしたと語られます。
- クジャは最後に死んだ?
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作中ではっきり描かれていません。ジタンが助けに戻る場面がありますが、その後の生死は明言されず、生存説も根強いとされます。
- トランス・クジャとは?
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最終決戦に登場する、クジャの最終形態です。倒すと「永遠の闇」との連戦に入り、そのままエンディングへ進みます。戦う前が最後のセーブ機会です。
- ブラネ女王とクジャの関係は?
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クジャがブラネを動かして侵略戦争を始めさせました。のちにブラネはクジャを消そうとしてバハムートを召喚しましたが、逆にバハムートに襲われて命を落とします。
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