【宿命を背負った者たちを描いた作品】FINAL FANTASY XV

FFXV タイトル
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FINAL FANTASY XVは2016年にPlayStation4で発売されたシリーズ第15作品目のタイトルです。シリーズ初のオープンワールドが採用され,高画質なグラフィックで壮大な世界観が演出されました。一方でシナリオに関する批判が多く,『FFシリーズ衰退期の象徴』のような評価をされている印象です。ただ海外での人気は高く,売上本数も海外が大部分を占めています。

本作で評価されたバトルシステムですが,本格的なアクションスタイルが採用され,白熱したバトルが楽しめます。最新作『FF XVI』とは少し異なり,よりFFらしいバトルアクションが体感できるのは本作の特徴です。今では非常に安価で購入できますので,記事を読んで興味を持たれた方はぜひ一度プレイしてみていただきたいです。

FINAL FANTASY XV (PS4)
目次

概要

FINAL FANTASY XVは2016年にPlayStation4にて発売されたタイトルで,同時期に映像特典である『キングスグレイブ FINAL FANTASY XV』,『ブラザーフッド FINAL FANTASY XV』がリリースされるなど発売当初はさまざまなコンテンツが提供されました。その後アップデートにてダウンロードコンテンツ『エピソード グラディオラス』,『エピソード プロンプト』,『エピソード イグニス』,『エピソード アーデン』が追加されました。そして2018年には『エピソード アーデン』を除くDLCや特典アイテムを含む『FINAL FANTASY XV ロイヤルエディション』が発売されています。

本作は海外での人気が根強く,2021年時点では国内110万本に対して,海外800万本でした。FFは海外に向けたマーケット戦略にも注力されており,『FF VI』が欧米で大ヒットしたことをきっかけに『FF VII』や『FF X』,『FF XII』ではインターナショナル版がリリースされるなど海外ファンをターゲットにしています。本作も海外ファンにウケる要素が盛り込まれ,その結果が「アクションスタイル」「オープンワールド」「キャラ設定」などに反映されているように感じます。

しかし国内では売り上げも伸びず,批判が目立つ結果となりました。製作期間としては10年近い歳月がかかっているにも関わらず粗削りのシナリオだったことが批判を生んだのでしょう。決して複雑というわけではありませんが,ところどころ語られないまま本編が過ぎてしまいます。これらをDLCで補填するとのことでしたが,開発サイドのいざこざ等で難航し,結果不明なまま完結してしまいました。これではファンは納得できないのも確かですね。

余談ですが,本作は『FF XIII』と関連した「ファブラ ノヴァ クリスタル ファイナルファンタジー」として製作されていました。当初はFFXIIIヴェルサスとして製作され,FF XVとしてリリースされた形です。こちらに関しては,別に記事にてお話ししたいと思いますので,興味のある方はぜひご覧ください。

主要人物

FFXV ノクティス
ノクティス・ルシス・チェラム cv. 鈴木達央

ルシス王国の王子であり,正当な王位継承者。母は幼い頃に亡くなっており,フレール家の令嬢ルナフレーナとの結婚式へ向かい,親友3人と王都を出発する。愛称は「ノクト」で,人見知りで発言と心情が一致しない照れ屋な性格。王族の力である武器召喚が使える。

FFXV グラディオラス
グラディオラス・アミシティア cv. 三宅健太

”王家の盾”として代々その任を担うアミシティア家の若き総領。ノクティスとは家柄を超えた親友のように育った熱血漢で愛称は「グラディオ」。メイン武器は大剣で,戦闘では鍛えられたパワーとタフネスさで仲間を守る。

FFXV プロンプト
プロンプト・アージェンタム cv. 柿原徹也

ノクティスの高校時代からの親友で,唯一王家とゆかりのない一般家庭の出身。本人はそれを引け目に感じており,仲間の役に立ちたいと常に願っている。メイン武器は銃で,パーティーではムードメーカーとして仲間たちを盛り上げる。

FFXV イグニス
イグニス・スキエンティア cv. 宮野真守

幼少より次期国王の側近としてノクティスと共に育てられた。冷静沈着で真面目な性格で,料理が得意。不器用なノクティスをフォローし,相談にも乗る理解者。メイン武器は短剣で3種の属性を使い分けて戦うなどサポート系の立ち回りをしてくれる。

FFXV ルナフレーナ
ルナフレーナ・ノックス・フルーレ cv. 北川里奈

神と対話し世界の浄化を担う「神凪かんなぎ」の巫女でノクティスの婚約者。最年少で神凪かんなぎの任に就いた彼女は世界中から敬愛されている。ノクティスとは主に文通で交流を続けるなど大切に想っており,ノクティスからの愛称は「ルーナ」。
モデルは北欧神話の女神「フレイヤ」とのこと。

FFXV シドニー
シドニー・オールム cv. 嶋村侑

ルシス領の整備工場「ハンマーヘッド」の看板娘。職人気質な祖父の代わりに店と工場を切り盛りしているラフで快活な女性。メカニックとしての腕前も確かで,ノクティスたちの愛車「レガリア」の整備も担う。プロンプトから好意を寄せられている。
モデルは暁の女神「アウローラ」とのこと。

FFXV レギス
レギス・ルシス・チェラム cv. 磯部勉

ノクティスの父でルシス王国113代国王。「魔法障壁」で王都インソムニアを守りながら男手一つでノクティスを育ててきた。結婚式に向かうノクティスを笑って送り出すも,それからほどなく帝国との騒動に巻き込まれてしまう。

FFXV レイヴス
レイヴス・ノックス・フルーレ cv. 中村悠一

ルナフレーナの兄でニフルハイム帝国の将軍を務めている。ある過去の影響でルシス家を強く憎んでいる。一方で妹ルナフレーナの身を案じるなど思いやりを見せている。

FFXV アラネア
アラネア・ハイウィンド cv. 沢城みゆき

ニフルハイム帝国の空中機動師団の准将で揚陸艇で各地を飛び回る,通称「傭兵隊長」。帝国にはそれほど忠誠心はなく,サバサバとした割り切った性格をしている。魔導兵器の槍を使った竜騎士のような空中戦を得意としている。

FFXV イリス
イリス・アミシティア cv. 潘めぐみ

グラディオラスの妹でノクティスやイグニスとは幼少より親交がある。ニフルハイム帝国による王都襲撃から逃れ,レスタルムで暮らしている。辛い時でも前向きな芯の強い女性。
モデルはギリシャ神話の女神「イーリス」とのこと。

FFXV アーデン
アーデン・イズニア cv. 藤原啓治

ニフルハイム帝国の宰相で,皇帝イドラの傍らで政治の実権を握っている。旅の中ではノクティスたちを導くなど,つかみどころのない人物。

ストーリー

FFXV ストーリー

ルシス王国とニフルハイム帝国は長い間戦争していたが,それが終わろうとしていた。停戦協定の調印式を数日後に控えたルシス王国の王子ノクティスは,和平の証としてニフルハイム帝国属州テネブエラの令嬢ルナフレーナと結婚式が執り行われようとしていた。ノクティスは結婚式に向かうべくグラディオラス,プロンプト,イグニスの3人を連れて王都を発つところから物語は始まる。

しかし調印式当日,帝国はルシスを裏切り王都インソムニアを襲撃してクリスタルを奪還した。王都の陥落を知ったノクティスたちはクリスタルを取り戻す力を得るため,愛車レガリアで各地に点在する王家の墓を回り,「王家の力」を手にする旅へと向かう。

戦闘システム

FFXV 戦闘シーン

本作は「バトルアクションスタイル」が大きな特徴で,スピーディーな戦闘が楽しめます。フィールド上のモンスターと接近すると,シームレスに戦闘に移行します。そのため刻一刻と変化する戦況に応じた立ち回りが求められる面白さが味わえますね。そんなアクションスタイルにマッチした要素も数々採用されています。ここでは3点紹介したいと思います。

アクションのスピード感を感じられる「シフト」

FFXV シフト

静止画では伝わりにくいかもしれませんが,ノクティスが使用できるスキル「シフト」は武器を投げた場所にノクティスも瞬間移動するというスキルです。剣や大剣,盾を投げつけて攻撃する「シフトブレイク」は一気に間合いを詰めて攻撃できます。敵陣を崩してそのまま追撃も可能なので,戦局を変えることができる爽快アクションが魅力です

スタイリッシュに大ダメージを繰り出す「パリィ」「連携技」

FFXV 連携技

本作ではタイミングよくアクションを繰り出すことで大ダメージを与えることができます。「パリィ」は敵の攻撃をタイミングよくガードして相手を崩すことで,特殊な攻撃モーションと共に大ダメージを与えられます。アクションならではの難しさがありますが,成功した時は非常に爽快です。

「連携技」は戦闘中,近くにいる仲間と自動で繰り出され,特殊なカットインと共に大ダメージを与えられます。あるいは先述した「パリィ」後に任意で連携するパターンもあり,いずれもスタイリッシュなモーションが魅力的です。私はグラディオとの連携技が特に好きでした。

オープンワールドならではの個性的なモンスターの数々

FFXV モンスター

本作はオープンワールドのため,モンスターも個性があふれています。生息域によって視界や天候も異なるなど一筋縄ではいかない戦闘になることもあります。画像で紹介したのは規格外のサイズのモンスターとも戦闘ができるという例です。アダマンタイマイと呼ばれるFFシリーズおなじみのモンスターで,全長はおよそ714 mと山のような大きさです。もちろん戦闘できますが,この圧倒的なスケール感を体感できるのも本作の魅力といえるでしょう。

体験談(※一部ネタバレあり)

FFXV 初期
FFXV 10年後

シナリオさえ完成していれば,個人的にはシリーズ上位に位置するぐらいには面白いと感じました。本作はどのキャラも悲しい過去を背負っていることが追加DLCなどでつまびらかにされています。ただ本編ではそれらが語られないままシナリオが進行するので,イマイチ理解できずに物語終盤まで進んでしまいます。

最も残念だったのは「エピソード ルナフレーナ」が発表されずに打ち切られたことです。シナリオ上,非常に重要な人物であるにも関わらず,詳細が明かされぬまま退場となってしまいました。プレイした後に不完全燃焼感を感じてしまうのも無理はないと思います。

体感としてはムービーやシナリオに注力した『FF XVI』のように,グラフィックを活かしたシナリオ面の掘り下げをしてもらいたかったです。戦闘面はFFらしさを感じるアクションスタイルで満足でした。

まとめ

FINAL FANTASY XVはゲームシステムこそ評価されたものの,シナリオの粗さ具合に批判されることになったタイトルです。「FF黄金期」と呼ばれるタイトルが軒並みシナリオ面の評価が高いだけに,それと比較される形で本作は「FF衰退期」の象徴とされてしまいました。裏を返せば,それだけFFシリーズのブランド価値をシナリオ面に感じているファンが多いということなのでしょう。

ただゲームとしては面白いですし,男4人の内輪感は正直嫌いじゃないです。その自由度の高さから,一緒に旅をしている感覚を持てました。未プレイの方は本編だけでなく,追加DLCも含めてプレイすることをおススメします!「FF XV ロイヤルエディション」と「エピソード アーデン」をプレイすればシナリオを網羅できるので,この機会にぜひプレイしてみてください。

FINAL FANTASY XV ロイヤルエディション (PS4)
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