FINALFANTASY XIは2002年から正式にリリースされたシリーズ初となるMMORPGです。今では当たり前となったMMORPGですが,2000年初頭はオンラインゲーム黎明期でした。そんなタイミングでリリースされた本作は挑戦的なタイトルと言えます。プレイしたことのない方も多いと思いますので,興味を持っていただけますと幸いです。
概要
FINALFANTASY XIは2002年にPlayStation2,Xbox360,PCにて正式リリースされたMMORPGです。発売から20年以上経過していますが,PC版のサービスは続いており現在もアップデートされています。最盛期には有効会員数(アクティブユーザー)は50万人以上となるなど一世を風靡していました。2015年にリリースされた『ヴァナ・ディールの星唄』を最後にPS2版とXbox360版はサービスが終了しています。
現在はというと…,実は約2万人ものプレイヤーが今なおプレイしているそうです!今やソシャゲでも流動的で起伏が激しいといわれているなか,20年以上前のオンラインゲームとは思えないユーザー数ですね。正直驚きました(笑)。
FFXIの魅力はMMORPGならではの他のプレイヤーとの会話・協力・取引などはもちろん楽しめます。どのように進めるかはプレイヤーの自由ですので,ミッションをクリアしたり,作物を育ててスローライフを楽しむなど遊び方は無限大です。
加えてMMORPGとしては珍しく,ストーリーや世界観などが充実しています。シリーズタイトルを背負うだけの理由がココにあると私は感じています。
主要人物
5つの種族
- ヒューム族(Hume)
-
世界各地に住む最も人口の多い種族。基本能力において他の種族のような特徴はないものの,バランスはとれている。また知恵深く,技術に長けている。
新興国家であるバストュークを他の2国に引けをとらない大国として拡大させ,その能力とバストュークの地の利を活かした産業を発達させている。
- エルヴァーン(Elvaan)
-
サンドリアに城を持ち,独自の騎士団を形成する誇り高き戦士の民。長身ですらりとした体躯を持ち,とがった耳が特徴の種族。何者にも打ち破れぬ信念と誇りに裏打ちされた精悍な顔つきをしている。
男女ともに剣技に長けている。騎士として清貧な生活を心がけているものが多く,あまり商才はない。
- タルタル(Tarutaru)
-
ウィンダスの主要構成種族。見た目は小柄で子供のように見えるが,年齢とは関係ない。元々魔法に秀でた種族ではあるが,『世界の種』を研究し,その技にさらに磨きをかけている。
ウィンダスが戦火によって滅びかけた時も,彼らのひたむきな努力と勤勉さから早期に復興した。同じくウィンダスに住むミスラとは友好関係にある。
- ガルカ(Galka)
-
今から600年前,南西のゼプウェル島にあったガルカの都が巨大蟻族の襲撃を受けて陥落。都を失ったガルカ達は世界各地に散らばることになるが,その一部がバストュークを住処としている。
強靭な肉体を持ち,その体躯が生み出す腕力は他種族の敵うものではない。バストュークではその腕力を奮い,数々の鉱山開発に貢献してきた。一部のガルカはヒュームに対して良い印象はない。
- ミスラ(Mithra)
-
タルタルと共にウィンダスに住まう女ハンター。ハンターならではの敏感な聴力を象徴するような耳と,バランス感覚を一層確かなものにする長い尻尾が特徴。いたずらっぽい表情が好奇心の旺盛さを表している。
ウィンダスではタルタル族と友好関係にあり,互いの種族が持つそれぞれの能力を生かし,協力し,ウィンダスをより一層豊かな国にしている。
主要NPC
- シャントット
-
ウィンダス連邦国の実質的なNo.2で,ヴァナ・ディール最強の黒魔導士とされている。由緒正しい家系の生まれで,淑女のような口調で話す。実際には毒舌かつ傍若無人な性格で,相手が誰であろうと臆面もなく批判する。黒魔法だけでなく,棍術にも長けている。
- プリッシュ
-
タブナジア自警団のリーダーで特殊な出生背景を持つ少女。見た目に反して,粗野でガキ大将のような性格で,言動や考え方に至るまで男の子。自身の出生の影響で人間の心が読めるようになっている。
- カムラナート
-
ジュノ大公国の大公で,何年経っても容姿が変わらない異様な雰囲気を纏った人物。あるきっかけからただの漁村だったジュノへ流れ着き,住民に助けられる。その後自身の知見を駆使してジュノを大都市へと発展させる。そのカリスマ性と政治的外交手腕から厚い支持を得ている。
- リリゼット
-
「マヤコフ舞踏団」の新人でかなり強気な性格の少女。厳しい入団審査を一発合格した腕前を持ち,”月影の胡蝶”と呼ばれる舞踏団のなかでも高い人気を誇るトップダンサー。
- イロハ
-
「ヴァナ・ディールの星唄」にて登場する主要NPCのひとりでひんがしの国の出身。滅びの未来からやってきたと語る少女で,滅びの未来を回避するために活動している。
- ナジャ・サラヒム
-
傭兵派遣会社「サラヒム・センチネル」の社長でミスラ族の女性。片手にモーニングスターを持ち,ナシラ装束をまとって机を両手で叩きながら相手に反論を許さず一方的に怒鳴りつける。かなり強欲で卑劣な手段も厭わない性格。
- クピピ
-
ウィンダス在籍のタルタル族で多数の冒険者とガード全員の顔と名前を記憶している。語尾に「~なの」をつける独特なしゃべり方をするが毒舌家でもある。
ストーリー
この世界『ヴァナ・ディール』には4つの国が存在していた。魔導に長けたタルタル族,ミスラ族が住む『ウィンダス連邦』。人間に近いヒューム族と巨人のガルカ族が住む『バストューク共和国』。誇り高きエルヴァーン族が住む『サンドリア王国』。多種族が住む中立の新興国家『ジュノ大公国』。
ジュノ大公国を除く3か国は覇権争いをしており,互いにけん制しあっていた。一方で,オークやゴブリンといった「獣人族」もまた人間族と日々抗争を繰り返すなど世界は混乱していた。そんな中,20年前にある大戦が勃発する。
ヴァナ・ディールの北方の彼方に「闇の王」を名乗る者が現れた。闇の王はデーモンを従え,獣人族を力と恐怖で支配して軍団をつくり,人間族に襲い掛かってきた。この国難に対して,ジュノ大公の提唱により『アルタナ連合軍』を結成し,闇の王を討ち取ることに成功する。
これをきっかけに各国は活発に交流するようになり,世界中を旅する「冒険者」が現れる時代となった。そしてプレイヤーはその中の1人として,各地を冒険することになる。
戦闘システム
基本的なシステム
戦闘システムはリアルタイムバトル(RTB)形式で,フィールド上でシームレスに戦闘が展開されます。通常攻撃はオートなので,チャットでのコミュニケーションやアビリティの選択に集中することができます。パーティーメンバーと連携してアビリティを発動することで,より強力な攻撃が可能です。また,戦闘中はキャラクターや視点を自由に動かすことも可能。演出こそ控え目ですが,自由度が高くストレスフリーな戦闘スタイルです。多くのMMOPRGで採用されていますが,FFシリーズでは本作が初採用です。
MMOでは欠かせない”ジョブシステム”
またFFシリーズおなじみの『ジョブシステム』も充実しており,独自のアビリティでパーティー内での存在感を発揮します。”協力プレイ”を前面に打ち出していた本作では,こうしたゲームバランスをプレイヤー側で調整できるように構成されています。ただゲーム難易度は低いかといわれると…そうでもないです。
基本的に6人パーティーを想定したコンテンツ設計で,MMORPG黎明期としてはハードルは高めだったと思います。あえて高いハードル設定にして,仲間とそれを超えるという達成感を盛り込むためだったかもしれません。現在は1人でも十分プレイできる環境となっていますが,当時のプレイヤーは苦労したことでしょう。
体験談
発売から20年以上経った今もアップデートされ続けているFFXIですが,最近になって復帰しているプレイヤーも多いです。当時は6人パーティーを組む必要がありましたが,現在はソロでもプレイできるようになっています。「フェイス」という召喚魔法で人気NPCの分身を召喚して,一緒に戦うことができます。5体召喚すれば最大6人パーティーを構成できるため,手間なくソロでコンテンツを楽しめます。
フェイスを活用してレベル上げもできますので,以前プレイしていた方も気兼ねなく復帰できます!復帰する方,これからプレイを検討している方におススメしたいコンテンツは「蝕世のエンブリオ」と「ヴァナ・ディールの星唄」です。
「蝕世のエンブリオ」は舞台となるヴァナ・ディールの”歴史”や”核心”に迫るシナリオが魅力です。細かなミッションを含めた伏線をしっかりと回収し,それらを一本の線でつなげたかのような完成度に納得感が得られます。はじめは小さい事件だったものが,気が付けば…という漫画のような展開で興味をそそられます。
「ヴァナ・ディールの星唄」はFFXIの”最終章”としてリリースされ,FFらしい壮大なストーリーが展開されています。FFXIの物語の終着点,FFXIを最後までプレイした冒険者へのメッセージなど感慨深いシーンが数多くあります。最終戦は比較的難しいですが,旅路で関わってきた主要人物たちも勢ぞろいするため,非常に熱い展開が楽しめます。
FFナンバリングを背負うだけの付加価値はこの2つのコンテンツといっても過言ではありません。
まとめ
FINALFANTASY XIは初のMMORPGとは思えないシナリオや豊富なコンテンツが魅力の作品です。「ヴァナ・ディールの星唄」が最終章としてリリースされており,作品としては一区切りついた形です。しかしながら発売から20年以上経った今でもコンテンツが更新されています。
グラフィックこそ近年の作品に劣りますが,非常にやりこめる面白い作品であることは間違いありません!以前プレイしていた方は復帰してみてはいかがでしょうか。
- ソロでもマルチでも楽しめるパーティーの仲間との冒険
- MMORPGとは思えないシナリオとコンテンツの完成度
- ジョブシステムで各々の役割がパーティー内で一層際立つ