多数の関連作品がリリースされていることからもその人気ぶりがうかがえるFFVIIシリーズ。全ては『FFVIIオリジナル』が大きな反響を呼んだことが発端です。そんな大人気作品をフルリメイクして楽しんでもらおうと企画されたのが”FFVIIリメイクシリーズ”です。その第一作品目にあたるのが,今回紹介するFFVIIリメイク。本作にはDLCコンテンツとして,インターグレード版もリリースされています。
今回は美麗グラフィックでリメイクされたFFVIIの魅力について解説したいと思います。既プレイの方は振り返りに,未プレイの方は興味を持つきっかけとして参考にしていただければと思います!!
概要
FFVIIリメイクは2020年にPlayStation4にて発売された「FFVIIリメイクシリーズ(以下FF7R)」の第一作目です。三部作構成のFF7Rですが,「FFVIIリメイク」のシナリオはオリジナル全体の10~15%程度とされています。また2021年にはPlayStation5にて「FFVIIリメイク インターグレード」が発売されています。こちらは本編以外の新規エピソードを含んだDLCコンテンツとなっています。
FF7Rではリメイクシリーズなので,システムやデザインだけでなくシナリオにも手が加えられています。ですが,ディレクターの野村哲也氏は「ユーザーの思い出を壊すことにはならない」と表明しています。このことから既プレイの方は一新したFFVIIが楽しめるだけでなく,新たなシナリオも楽しむことができます。
個人的な意見としては,FFVIIオリジナルを先にプレイしてもらいたいです!!FFVIIリメイクに関してはオリジナル未プレイでも楽しめますが,シナリオの変遷がコンセプトでもあります。その辺りを考察するためにもFFVIIオリジナルは履修することをおすすめします。プレイする時間がない方,ストーリーをおさらいしたい方はこちらの記事を参考にしてください。
主要人物
- クラウド・ストライフ cv. 櫻井孝宏
-
ニブルヘイム出身の元ソルジャークラス1st。神羅を抜けたあと,ミッドガルで何でも屋の仕事を始める。その一環で幼馴染のティファに誘われ,反神羅組織アバランチの活動に従事する。物語の進行に伴い,自身の過去やセフィロスとの因縁をきっかけに数奇な運命に巻き込まれる。
- バレット・ウォーレス cv. 小林正寛
-
反神羅組織アバランチのリーダー。星の生命をおびやかす神羅に対して星を救うために活動している。その過激な活動から本家とは袂を分けられ,分派となっている。普段は七番街スラムの自警団として地域貢献している。娘のマリンを溺愛している。
- ティファ・ロックハート cv. 伊藤歩
-
ニブルヘイム出身でクラウドの幼馴染。反神羅組織アバランチのメンバーで、七番街スラムの酒場”セブンスヘブン”を切り盛りしている。幼少の頃に師匠から修業を受けたことで格闘術を得意としている。一方で控え目な性格で,クラウドに対して複雑な感情を抱いている。
- エアリス・ゲインズブール cv. 坂本真綾
-
ミッドガルで花売りをしていた女性。星と対話できる不思議な力を持っていることから,神羅から追われる身となっている。普段は伍番街スラムの教会で花の世話をしている。あるきっかけでクラウドと出会い,自身の宿命と向き合っていくことになる。
- レッドXIII cv. 山口勝平
-
神羅ビルで実験体として捕らえられていた赤毛の獣。人の言葉を操り,大人びた態度で接する。レッドXIIIは宝条博士がつけた型式番号であり,本名ではない。クラウドたちにより救出されたことで旅に同行するようになる。
- セフィロス cv. 森川智之
-
かつて英雄と呼ばれた伝説的ソルジャー。クラス1stの中でも圧倒的な実力を持っている。しかしある魔晄炉調査任務をきっかけに人格が豹変し,事件を起こす。この事件で死亡したと神羅は発表しているが,詳細は不明。クラウドとは因縁がある。
FFVIIリメイク インターグレードの登場人物
- ユフィ・キサラギ cv. かかずゆみ
-
ウータイの特殊技能集団「シノビ」のひとり。自称美少女忍者,自称凄腕マテリアハンターなどさまざまな肩書を持つ。陽気でからっとした性格。神羅との戦争に敗れ,活気を失った故郷を救うために活動している。
- ソノン・クサカベ cv. 細谷佳正
-
ウータイ出身の戦士でユフィの父親に師事して拳法や棒術を学んでいる。神羅との戦争をきっかけに神羅に対して憎しみを募らせている。年下の先輩ユフィとコンビを組み,潜入任務にあたっている。真面目な性格でユフィを優しくフォローしている。
- ネロ cv. 置鮎龍太郎
-
神羅の地下都市ディープグラウンドでつくられたDGソルジャー。そのなかでも選りすぐりの実力を持つ”ツヴィエート”でもある。闇の力を自在に操ることができる。DGソルジャー最強のヴァイスは兄にあたり,兄への思いが狂気じみている。
ストーリー
物語は反神羅組織アバランチによる壱番魔晄炉爆破ミッションから始まる。何でも屋として雇われた元ソルジャーのクラウドはバレットと共に壱番魔晄炉を目指す。神羅兵の警備をかいくぐり,壱番魔晄炉の最深部に到達した一行は爆破して脱出する。道中アバランチとはぐれたクラウドは神羅兵からの追跡を逃れようとミッドガルの街を駆ける。その道中,花売りの少女と出会う。親しげに話していた彼女だが,黒いローブ姿の何者かに追われていた。
クラウドはバレットたちと合流し,七番街のアジトへと帰還する。そこで幼馴染のティファとの再会を果たすのだった。そしてクラウドはティファから次の任務への同行を依頼された。こうしてティファ,バレットと共に新たな任務に向かう。そこでクラウドは数奇な運命に巻き込まれ,因縁の相手との宿命を果たすこととなる。
FFVIIリメイク インターグレードのストーリー
クラウドとアバランチ一行が伍番魔晄炉を爆破したことで,ミッドガルの街は混乱していた。そんな中,ウータイからの命を受けたシノビたちが暗躍する。彼らは神羅カンパニーが開発したとされる「究極のマテリア」を求めて潜入を試みていた。本家アバランチの協力を得た彼らは,故郷のため,復讐のため,それぞれの思いを抱いて任務に臨んでいた。
戦闘システム
アクションバトルと各種バトルコマンド
本作はコマンド要素を取り入れたアクション型バトルです。共通する基本操作は戦うとガード/回避になります。従来のFFシリーズのようにATBゲージを溜めることで各種バトルコマンドを入力できるようになります。コマンドによる行動は各キャラクターごとに特徴があり,戦局に合わせて使い分けることで有利に戦闘することができます。コマンド選択中は時間がゆっくりになる”ウェイトモード”になるので,じっくり選択することができます。
- アビリティ
-
各キャラクター固有のアビリティを使用できます。強力な攻撃を繰り出す,バフをかけるといったものです。
- 魔法
-
各々が装備したマテリアに応じて魔法を使用できます。魔法には攻撃,バフ/デバフ,回復の3種があります。魔法使用時にはMPを消費します。
- アイテム
-
所持しているアイテムを使用できます。アイテムにも攻撃,バフ/デバフ,回復の3種があります。
- 召喚獣
-
ボスなどの強力な相手との戦闘時にはSUMMONゲージが上昇し,溜まると召喚獣を呼び出すことができます。呼び出した召喚獣は自動で戦闘しますが,ATBゲージを消費してアビリティを発動させることができます。一定時間が経過すると,大技を繰り出して召喚獣は帰還します。
リミット技
FFVIIおなじみのリミット技も発動できます。基本的にはダメージを受けることでリミットゲージが増加し,溜まるとリミットブレイク状態となります。コマンド欄にリミットが表示され,ATBゲージ消費なしで必殺技を繰り出すことができます。また各キャラクターに2種のリミット技(1種は初期装備)が実装されています。高グラフィックなうえ特別なカットインも入るなど,非常に見ごたえがあります。一気に戦局を変えられる手段ですので,使いどころは見極めたいところです。
HEATとBUST
本作には戦闘を有利に進められる「HEATとBUST」の概念があります。HEATは敵の弱点や隙を狙って攻撃することで,相手の態勢を崩した状態のことです。HEAT状態の敵は攻撃によりHEATゲージが溜まりやすく,このHEATゲージを溜めきることでBUST状態へと移行します。BUST状態の敵は無防備になり,与えられるダメージも大きく上昇します。前述したアビリティのなかにはBUST中のダメージ倍率を上げるものも存在します。
敵をHEAT状態にするヒントはみやぶるとわかる場合がほとんどです。相手をしっかりと分析して戦うことで,有利に戦闘を進めることができると思います。
FFVIIリメイク インターグレードの戦闘システム
インターグレード版ではユフィのみ操作可能となっています。その分ユフィはかなりハイスペックなキャラクターとなっています。特徴は次の通り。
- 手裏剣と忍術
-
ユフィは手元に手裏剣があるかどうかで攻撃方法が変化します。手元にある場合は手裏剣を使った近接攻撃を行います。手裏剣は投げることもでき,投げた手裏剣はしばらく敵を攻撃し続けます。その間ユフィは忍術を使用することができ,魔法攻撃を行います。またアビリティにて忍術に属性を付与することが可能で,四属性の魔法攻撃を使い分けられます。
- ジャストガード
-
敵の攻撃をタイミングよくガードすることができた場合はジャストガードが発動し,ダメージを無効化してくれます。
一方で,ソノンは自動で戦闘しますが,コマンド入力によりある程度指示することができます。また「連携モード」の指示をするとユフィの攻撃に追従するようになります。連携モード中は敵をBUSTさせやすくなるほか,ATBゲージを消費して強力な「連携アビリティ」を発動することができます。
体験談(※一部ネタバレあり)
全体を通して
FF7Rシリーズ第一作目とあってか,とても丁寧にシナリオ構成されているように感じました。原作と比較すると進行度は遅いですが,その分新規の人も楽しめるタイトルだと思っています。一方でギャルゲーかと思ってしまうような展開もしばしばあり,何これ…?と感じていました。(まあ好感度要素がちょこっとあるので,仕方ないところはありますが…。)せっかくなので良かった点と悪かった点をまとめます。
良かった点 | 不満に感じた点 |
---|---|
・グラフィック,サウンドが大幅に進化 ⇒ 全体的に臨場感がUP ・ボイスの採用 ⇒ キャラクターの内情が感じ取れる ・アクション型のバトル ⇒ ガチ勢もやりこめる難易度 | ・マップの自由度が少ない ⇒ 高グラフィックだが探索できない ・全シナリオに対するボリュームが少ない ⇒ 次回作までが長い,物足りなさが否めない ・シナリオ後半になると急展開 ⇒ 人によっては納得感が得られない |
個人的な不安要素
作品の良し悪しとは別に,特に気になった不安要素についても簡単に紹介します。
- シナリオが原作からそこそこ変化している
- 新規参入の人が次回作までついてこない可能性
- レノの声優 藤原啓治氏が亡くなっている
① リマスターではなく”リメイク”なので当然ではありますが,シナリオが原作からそこそこ変化しています。全体の流れは原作通りですが,登場人物や原作になかった細かい描写などが追加されているためでしょう。原作プレイヤーの中には「原作通りでいいから,ボリュームを増やしてほしい」と感じる方もいるかもしれませんね。この”シナリオの変遷”はFF7Rシリーズの核となる要素でもあるので,注視しておきたい点です。
② FF7Rシリーズは全3部作構成です。FFVIIリメイクは発表から4年ほど経ってのリリースとなりました。(FFVIIリバースも約4年の期間を経てリリースされました。)原作からあらゆる面で進化しているので,ボリュームが膨れ上がって収まりきらなくなっているのでしょう。分作化せざるを得ない,というのが正しいかもしれませんが,間隔が空いてしまい熱が冷めてしまいそうですね。
③ 赤髪でおなじみのタークスのレノですが,結構人気キャラだったりします。声優は藤原啓治氏ですが,2020年に亡くなっています。FFVIIリメイクは既に収録済みだったのですが,残り2作分はどうなるのでしょうか?(FFVIIリバースでは生前収録したボイスで対応したようですね。)原作シナリオ上では今後も登場が見込まれていますが…。声優変更?出番を減らす?人気キャラだけに出番が減ってしまうのは悲しいですよね。
FFVIIリメイク インターグレードの体験談(※一部ネタバレあり)
インターグレード版のシナリオは比較的コンパクトなので,その他やりこみ要素をご紹介。
FFVIIリメイク本編とDLCをクリアすると,FFVIIリメイクのバトルシミュレーションにて「純白の帝王ヴァイス」と戦闘することができます。これがバトル要素のエンドコンテンツです。3つのモードを使い分け,一撃必殺の技も繰り出すなど非常に強敵です。攻略情報なしではなかなか太刀打ちできないと思いますので,入念な準備をして挑みましょう。ちなみにヴァイスが何者かについては『DCFFVII』の記事を参照してください。
DLCでのみ楽しめるミニゲームとして「コンドルフォート」があります。これはタワーディフェンス型のミニゲームで,原作でも人気コンテンツでした。対戦相手ごとに難易度が異なり,分析と戦術が求められます。ゲームの詳細は割愛しますが,FFVIIを象徴するミニゲームですので,ぜひプレイしてもらいたいですね。次回作のFFVIIリバースでも実装されるそうですね。
まとめ
ここまでFFVIIリメイクとDLCコンテンツについてお話してきました。大人気作品のFFVIIをリメイクするだけあって,かなり作りこんだんだなと感じました。実際に国内外いずれもかなりの売り上げだったそうです。多くのFFファンや興味を持った新規プレイヤーが手に取ってくれたのでしょう。好スタートを切れたFF7Rシリーズですが,分作した影響はどこまで及ぶのか??今後のタイトルは内容はもちろん,マーケティング的にも気になるところです。
FFVIIを知らない方にも十分楽しめると思いますので,私は自信を持っておすすめします!!これをきっかけにFINAL FANTASYに興味を持っていただければ嬉しいです。
- 原作からグラフィック・サウンドなどが革新的に進化
- コマンドを取り入れたアクション型バトルによる奥深い戦闘
- DLCを含む新たなシナリオによりファンも新規も楽しめる
ここまで読んでくださった方は多少FFに興味を持ってもらえてると思いますので,よかったら以下の関連記事からあなたにとっての”神ゲー”を探す判断材料にしてください。それではまた…。