MENU

【歴史と評価を総まとめ】初心者必見!FFナンバリングタイトルの振り返り

FF 歴史
  • URLをコピーしました!

本記事はこんな悩み・疑問にお答えします↓↓

FFってどんな作品があるの…?
FFはどの作品がおすすめなの…?
FFは衰退したって言われてるけど実際どうなの…?

今回はFFシリーズをほぼ全てプレイしてきた筆者が”実体験に基づいたシリーズの歴史と評価をまとめます!どの作品が人気なのか?なぜFFは衰退したといわれているのか?できるだけ網羅的に紹介しようと思いますので,気になる作品があればぜひ関連記事を参考にしていただければと思います。



目次

FFについて

FFは『FINAL FANTASY』の略称で,日本を代表するRPGゲームのひとつです。シリーズ第1作品目は当時のスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から1987年に発売され,現在ナンバリングタイトルは16作品目までリリースされています。この他外伝作品も多数リリースされており,最も多数の作品を有するRPGシリーズとしてギネス世界記録にも認定されています。

FF3
FF6
FF10
FF12

現在16作品目までナンバリングタイトルがリリースされているとお伝えしましたが,それぞれ異なる世界観やキャラクターによる独立した物語となっています。一部例外として,時系列が異なる同じ世界線の物語を描いている場合もあります。またゲームシステムグラフィック楽曲なども時代と共に進化し続けています。なのでナンバリングごとに遡ってプレイする必要はありません。つまり要約すると…

FFは気になったタイトルからプレイしていただいてOKです!!

ですが,FFをご存じない方はどの作品が自分に合っているのか分からないと思います。FFにはRPGだけでなく,アクションやシミュレーション,MMOやPvPなど作品によってさまざまなシステムが採用されています。なので今回はナンバリングタイトルを中心に”FFの歴史”を振り返ると共に,”各タイトルの評価・概要”をお伝えできればと思います。また各タイトルのキャッチコピーも載せますので,どんなタイトルか想像しながらご覧ください。

【各タイトルの評価】 … ★5段階で評価します。評価対象は以下の通りです。

  • シナリオ:物語の完成度,解釈のしやすさ
  • 難易度:戦闘システム,ボス戦,各ダンジョン
  • やりこみ度:クリアまでのプレイ時間,本編以外の要素

少々長い記事になると思います。実際にプレイするならどれがおすすめなのか,ランキング形式で簡単にまとめた記事もありますので,よろしければ参考にしてください。




時代と共に進化したFFの看板”ナンバリングタイトル”

黎明期(FFI~FFIII)

ファミリーコンピュータが一世を風靡していた1987年,シリーズ第1作品目となる『FINAL FANTASY I』は誕生しました。当時倒産の危機にあったスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が「これが最後の作品になる」という思いを込めてFINAL FANTASYと名付けたそうです。その後もナンバリングタイトルがリリースされますが,徐々にFFシリーズが認知されるようになった重要な3作品です。今この記事を読んでいる皆さん,あるいは親御さんもこれらのタイトルをプレイされた”光の戦士”かもしれませんね。




FFI ―見つからないものを、見つけるために―

FFI パッケージ
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★☆☆☆
  • やりこみ度:★★☆☆☆

1987年に発売された本作は50万部以上を売り上げる想定以上の大ヒットとなりました。今ではNintendo Switchやスマホに移植され,気軽にプレイできます。輝きを失ったクリスタルを蘇らせるために冒険の旅に出るという物語です。

ターン制の戦闘や簡易的なジョブシステムなどシステムは至ってシンプル。強いて言うなら,最初のジョブ設定によってはゲーム難易度・やりこみ度が変わります。とはいえシンプルゆえに全体的に難易度はやや低めなので,まさにFFを知らない方にもプレイしやすいタイトルといえます。クリア時間もそこまでかからないのでぜひプレイしてみてください。



FFII ―この悲劇、忘れない―

FFII パッケージ
FFII パッケージ
  • シナリオ:★★☆☆☆
  • 難易度:★★★★★
  • やりこみ度:★★★☆☆

1998年に発売された本作は70万本以上を売り上げました。本作ではシリーズおなじみのチョコボが初登場しています。世界征服を目論むパラメキア帝国皇帝の野望を阻止するために奮闘するという物語です。割とシリアス調のシナリオのため好みが分かれると思い,★2つとしました。

前作から育成システムが変更され,熟練度なるものが実装されています。”たたかう”で戦闘し続けると戦士タイプに,”まほう”で戦闘し続けると魔導士タイプのステータスになります。自分好みに成長させられる自由度の高さは当時としては画期的なシステムですね。これに伴いやりこみ度は増しましたが,育成の仕方や終盤の強敵などによりゲーム難易度はかなり高いです。



FFIII ―最期の壮絶なドラマ―

FFIII パッケージ
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★☆

1990年に発売された本作は約140万部を売り上げました。FFの名が世に広まってきていることがわかりますね。物語は『FFI』と同様,クリスタルに輝きを取り戻す冒険の旅に出るというものです。

本作からFFおなじみのジョブシステムが実装されました。20以上のジョブを駆使した戦闘は多彩な戦術を構築できます。このシステムは後のシリーズにも活用されていますので,一度プレイすれば他のシリーズシステムも理解しやすくなると思います。全体的な難易度はやや低めですが,ラストダンジョンは非常に難易度が高いことで有名なことから★3つとしました。



成長期(FFIV~FFVI)

ハードがファミリーコンピュータからスーパーファミコンへと移行しました。ゲーム自体の容量も増加し,より豊かなドット表現ができるようになりました。ゲームシステムにおいても黎明期から目に見えて進化し,より充実したRPG作品が誕生しました。

この頃にFFのアイデンティティといえるシステムが構築されたことから,人によっては”完成期”と位置付けることもあります。また『FFVI』については海外でも売り上げを伸ばすなど,まさしく「FFブランド」がその名を轟かせた時期と捉えることもできます。




FFIV ―「光」と「闇」の物語―

FFIV
  • シナリオ:★★★★★
  • 難易度:★★★★★
  • やりこみ度:★★☆☆☆

1991年に発売された本作は140万本以上を売り上げ,シリーズ初のミリオンを達成しました。特に本作はシナリオ面の評価が高く,人間味あふれるドラマが魅力です。後に外伝作品がリリースされるなど人気のタイトルとなっています。

そして本作からターン制が廃止され,アクティブタイムバトル(ATB)システムが実装されました。リアルタイムで戦闘が進んでいき,待機時間の概念が生まれました。戦闘のバラエティー性・戦略性が高まり,このシステムは『クロノ・トリガー』など以降のRPGにも影響を与えました。一方でゲーム難易度も高めることになり,低年齢層にはクリアできないと指摘されました。同年にイージータイプのソフトが発売されたのは後にも先にも本作だけでしょう。シナリオに加えて手ごたえも感じられるので,腕に自信のある方は挑戦してみては?



FFV ―風が,変わる―

FFV
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★☆☆☆
  • やりこみ度:★★★★☆

1992年に発売された本作は約240万部を売り上げるダブルミリオンを達成しました。ゲーム誌での読者投票では27.9点/30.0点を記録し,1993年時点でのスーパーファミコンソフト中で1位になりました。こちらもクリスタルの輝きを取り戻す旅に出る物語になります。

本作最大の魅力は本格的なゲームシステム”ジョブシステム”です。『FFIII』のようなジョブに加えて各種アビリティが実装され,マスターするとアビリティを自由に入れ替えることができます。例えば,黒魔導士(ジョブ)で”しろまほう”アビリティを装備すると,白黒魔法が使えるようになります。20種類以上のジョブ×アビリティにより,非常に多彩な戦術を構築できるのでやりこみ度は高いです。このやりこみにより低レベルでもクリアできるなどゲーム難易度はやや低めといったところです。ただし裏ボス二大巨頭は別ですが…。



FFVI ―近づく,予感―

FFVI
  • シナリオ:★★★★★
  • 難易度:★☆☆☆☆
  • やりこみ度:★★★☆☆

1994年に発売された本作は国内で約250万部,海外で約290万部を売り上げるなど,この頃にはFFブランドが確立されたことがうかがえますね。『FFII』と似ていますが,世界征服を目論むガストラ帝国の野望を阻止すべく奮闘する物語です。本作は特定の主人公を立てない群像劇として制作されたため,パーティーの入れ替わりが多いです。その反面,全登場人物にしっかりと焦点が当てられるなど多角的にシナリオが楽しめます

また各キャラごとにアビリティが設定され,なかにはコマンド入力したり,スロットを回したり…と多種多様です。ちなみに登場キャラクターは最大14人ですが,全員集めなくともクリア可能です。そんな個性あふれる仲間を求めて旅する本作はやりこみ具合もそこそこといったところです。本作は低レベルクリアもできるぐらいに難易度は低いです。初心者の方でも気軽にプレイできるのでおすすめですよ。



転換期(FFVII~FFVIII)

ハードがスーパーファミコンからPlayStation(PS)へと移行しました。2Dドットから3Dポリゴンへと進化したことでゲーム全体の表現力が飛躍的に向上しましたシナリオ中でのムービー挿入,戦闘時の動作などが良い例ですね。この辺りのタイトルはプレイしたことのある方も多いと思います。ゲームシステムも作りこまれたことで,やりこみ度が増したり,逆に複雑すぎたりと特色が現れています。

この時期を”転換期”としたのは,『FFVII』の存在があるためです。『FFVII』はシリーズ屈指の大ヒットを記録し,世界中で「FF」ファンを生み出すきっかけとなったのです。当時,海外では日本のRPGに対して否定的な意見も多くありました。『FFVII』はそんな状況を一変させたのでした。




FFVII ―君はもうクラウドになったかい?―

FF7
  • シナリオ:★★★★☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★★

1997年に発売された本作は国内で約400万本,海外で1,000万本以上を売り上げる大ヒットを記録しました。今ではPCやNintendo Switch,スマホにも移植され,プレイしやすい環境となっています。本作は堕ちた英雄セフィロスの野望を阻止するために戦う物語です。前述した表現力の向上によってシナリオへの没入感は高まりました。また関連作品が多数リリースされ,本作で詳しく語られなかった部分が補填されているので理解できると思います。

本編もさることながらやりこみ要素にも力が入っていて,寄り道しすぎて話が進まない…なんてことも。そして本作は現在も鋭意制作中のタイトル『FFVIIリメイクシリーズ』の元にもなっていますので,興味のある方はぜひプレイしてみてください。



FFVIII ―愛を,感じてほしい―

FFVIII
  • シナリオ:★★☆☆☆
  • 難易度:★★☆☆☆
  • やりこみ度:★★★☆☆

1999年に発売された本作は国内で約370万本,海外で約860万本を売り上げました。前作が商業的に成功したことで,本作はハリウッドと連携するなど制作規模が拡大しました。本作はあまりゲームをしない人への訴求力を高めるとして,前作からさらにリアルな画風へと進化しています。販売本数こそ伸びたものの,「駄作」と称されることもあります。それはシナリオ/システムの難解さにあると思われます。シナリオは端的に述べると,物語の鍵となる”魔女”を討つというもの。ただ時系列が前後したりするので,低年齢層には難しく悪評をつけられたのかもしれません。大人になって改めてプレイしてみると,考察の余地もあって面白いと感じられるかも。

システム面については,長くなるので関連記事を参考にしていただければ。とはいえゲーム難易度は低めといったところです。レベリングせずともクリアできてしまうのでゲームをあまりされない方でも気軽にプレイできると思います。



黄金期(FFIX~FFXI)

記録的な大ヒットを収めたFFシリーズは多くの方にプレイしてもらえるRPG代表作となりました。特に”転換期”から”黄金期”の作品はFFナンバリングシリーズのなかでも傑作と称されているので,プレイしたことのある方も多いと思います。ハードがPSからPS2へと移行し,グラフィック面が向上したことは言うまでもありません。

黄金期のなかでも高い評価を受けた『FFX』では,シリーズ初となるボイスが採用され,さらに物語への没入感を感じられるようになりました。『FFXI』ではシリーズ初となるMMORPGとして新たな裾野を広げるなど,この時期にはシリーズのその後に大きな影響を与えた作品が登場しています。




FFIX ―クリスタル,再び―

FFIX
  • シナリオ:★★★★★
  • 難易度:★☆☆☆☆
  • やりこみ度:★★☆☆☆

2000年に発売された本作は国内で約290万本,海外で約550万本を売り上げました。こちらもNintendo SwitchやPS4などに移植されています。世界を混乱に陥れる者たちから世界を守るという物語。”死生観”をコンセプトに,各キャラが自身の出生に葛藤を抱えながら旅をします。このシナリオが非常に評判で,シリーズ屈指の人気を誇っています。

本作は”原点回帰”がテーマであり,過去シリーズの小ネタが散りばめられているなどファンにはさらに楽しめる要素が盛りだくさんです。ゲーム難易度は低く,一部除いてやりこみ要素も控えめです。気軽にプレイできるタイトルですので,初心者にもおすすめですよ。



FFX ―世界一ピュアなキス―

FFX
  • シナリオ:★★★★★
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★☆☆

2001年に発売された本作は国内で約320万本,海外で約850万本を売り上げました。個人的には本作が初心者に最もおすすめしたいタイトルです。シナリオの完成度が非常に高く,FFの括りを超えて今なお根強い人気を誇っています。物語は世界に破壊と死をもたらす脅威に立ち向かうというものです。ハードがPS2へと移行し,グラフィックの向上ボイスの採用楽曲の一新などさまざまな面で進化しました。これを受けて作品への没入感がさらに増し,高評価のシナリオとの相乗効果で大人気タイトルとなりました。

育成システムがレベル制と異なり,独自のシステムが採用されています。といっても難解なものではなく,自由度が担保されたシステムです。ゲーム難易度は普通で,ボス戦にはギミックが用意されるなど単調化しない工夫が施されています。ゲームに不慣れな方でも十分にクリアできる内容で,発売から20年以上経った今でもyoutuberが配信しています。



FFXI ―誰かが待っている。誰かを待っている―

FFXI
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★★

2002年に発売された本作は全世界で約280万本を売り上げたシリーズ初のMMORPGになります。PS2版から始まり,PC,Xboxとハードが移行され,現在でも数万人ものプレイヤーがいるとかオンラインゲーム黎明期だった頃としては異例の大ヒットと言えるでしょう。日・米・欧を同一サーバーに集約し,時差を利用してサーバー負荷を均一化することでコストの削減を図りました。その結果,商業的にも技術的にも大きな基盤となるタイトルとなりました。シナリオもMMOと思えぬほど作りこまれていて,特に追加コンテンツ「蝕世のエンブリオ」と「ヴァナ・ディールの星唄」が高い評価を受けたシナリオとなっています。

今ではパーティーを組まずともNPCの助力を受けてソロでプレイすることもできます。数々のジョブも用意されており,戦闘はもちろんデザインも個性があっておもしろいですよ。戦闘は演出こそ控え目ですが,自由度が高くストレスフリーな戦闘スタイルです。各々がパーティーでの役目を果たして協力プレイすることを想定したゲーム難易度設定になっています。個人差があるでしょうが,ゲーム難易度は普通といったところでしょうか。そしてMMOなので本編だけでなく,作物を育てたり,ハウジングしたりと楽しみ方は無限大です。語りだすとキリがないので,めちゃくちゃやりこめるということだけお伝えしておきますね。



衰退期(FFXII~FFXV)

ハードがPS2からPS3,PS4へと移行していく時期になりますが,ある意味ここからが本題です。「FFは衰退した」と称されるようになった時期でもあります。その理由は多くのユーザーの期待に応えられなかったためだと思われます。これまで築き上げたFFブランド効果もあって,この辺りのタイトルも多くのユーザーに触れられることになります。その結果,ライト層含め多様化するユーザーの期待の受け皿となり得なかったと思われます。これ以降のタイトルの販売総数が減少傾向にあることからも,プレイヤーが減少していると推測できます。

これに追い打ちするように作品自体のコンセプトがユーザーの不満を買い,さらに批判されることとなりました。ファンからも批判を受けてしまったのは痛手だったでしょう。特に『FFXIII』,『旧FFXIV』が立て続けにファンの期待に応えられず,「FFは衰退してきた」と言われるようになったのでしょう。その後はこの先入観も相まって,”衰退したもの”として見られるようになったのかもしれません。

FFXII ―若き空賊は,大空の彼方へ―

FFXII
  • シナリオ:★★☆☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★☆

2006年に発売された本作は国内で約260万本,海外で約640万本を販売しました。海外での評価の方が高かったという印象です。本作のシナリオは帝国に支配されたダルマスカ王国の解放,そして世界の掌握を試みる帝国の執政官を止めるというものです。テーマは「自由」と「責務」とされていて,低年齢層には理解しにくい難解なシナリオだったことは否めません。

そして戦闘システムはMMOのようにフィールド上でシームレスに展開され,”ガンビット”と呼ばれるシステムが採用されました。これはプログラミングのように戦闘メンバーの行動をあらかじめ設定することができ,「対象となる条件」と「行動」を設定します。例えば「HP<10%の仲間」+「ポーション」とすると,条件を満たした仲間にポーションで回復行動を自動でとってくれます。こうした思考が好き・得意な方には刺さるシステムですが,作中での説明不足もあってか理解しにくいと賛否を呼ぶことになりました。自動化すると楽ではありますが,プレイしている感はないかもしれませんね。

一方で,成長システムはステータスのバランス,装備品の着用可否などに関わる独自のシステムが採用されています。これにより,やりこめばほぼすべての能力をどのキャラにも会得させられますし,上級者であれば低レベルクリアもできてしまいます。特にシステム面でですが,本作は時代を先取りしすぎた作品といえるかもしれません。



FFXIII ―双対する世界の真実に触れた時,人は定められし宿命と対峙する―

FFXIII
  • シナリオ:★☆☆☆☆
  • 難易度:★★★★☆
  • やりこみ度:★★☆☆☆

2009年に発売された本作は国内で約200万本,海外で約700万本と国内での売り上げが徐々に落ちています。ハードがPS3へと移行したわけですが,本作はFF衰退の象徴としてよく取り上げられています。その要因のひとつが”シナリオの難解さ”。神のような存在「ファルシ」によって力を与えられた主人公の妹セラを救うために運命に抗うという物語です。先述した「ファルシ」を含め作中で登場する専門用語が多く,余計にストーリーを複雑化してしまっています「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ」なんてネタにされたことも。

もうひとつの要因が”一本道問題”。RPGの醍醐味のひとつである寄り道要素をシナリオ後半まで排除しています。これはストーリーに集中して楽しんでもらいたいという意図から成るものだそうですが…。ダンジョン構成もほぼ変わらず,自由探索がないのはこれまでのシリーズと比較しても窮屈と言わざるを得ませんそんなわけでやりこみ要素としても低めの★2つとしました。

一方で戦闘面は評価が高く,PS3による美麗なグラフィックを駆使した戦闘は見ごたえ抜群です。戦闘時のBGM「閃光」はシリーズでもトップクラスの人気を誇る戦闘曲として知られています。仲間と次々に連携して攻撃していくなどスピーディーなバトルは本作の魅力と言えるでしょう。ただし敵側も行動パターンが変化する敵が非常に多く,ゲーム難易度としては結構高いです



旧FFXIV ―冒険の世紀が,いま始まる―

旧FFXIV

『FFXI』の知見を駆使して制作された本作は今ではシリーズ屈指の人気を誇るMMORPGとして知られています。ですがそれは「新生エオルゼア」以降のver. 2.0のお話し。ここで紹介するのはリリース当初のver. 1.0になりますが,現在はプレイすることはできないので★評価は割愛しています。当時本作をプレイするのにはそれなりのスペックのPCが要求されていたため,環境を整えるべく多くのユーザーが初期投資を費やしていました。いざプレイしてみると多数の深刻なバグ,システム上の欠陥,コンテンツの少なさ…と不満点が続出。10年に一度のクソゲーといわれる酷評っぷりでした。

いくつも問題点はありましたが,総じて『FFXI』での成功体験がかえってサービスを疎かにしてしまったと現プロデューサー兼ディレクターの吉田氏は語っています。グラフィックを追求するあまり,”背景の木箱1個=1キャラクター”の容量を持つなどの不手際が明らかになりました。その結果『FFXIV』は数十億円の大損失を計上し,経営の危機に陥ってしまいました。本作は吉田氏の手腕によって息を吹き返すのですが,それはまたのちほど紹介します。



FFXV ―父と子,そして王の物語―

FFXV
  • シナリオ:★★☆☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★☆

2016年に発売された本作は国内で約100万本,海外で約1,000万本を売り上げ,国内での販売本数の減少傾向がうかがえます。本作のシナリオは帝国に支配から王都を解放するために奮闘する物語です。王都の王子とその側近3名を中心に物語は進行していきますが,その他にもシナリオ上重要な人物が登場します。しかし主人公たちとの絡みが少なく,プレイヤーが思い入れを抱く前に離脱してしまいます。加えてDLCでエピソードを補填するはずが開発が中止となり,結局よく分からないままだったなどシナリオ面があまりつくりこまれていない点が低評価されました。シナリオが面白くないわけではないのですが,過去シリーズと比較するとどうしても物足りなさを感じてしまいますね。

ハードがPS4へと移行したことで映画のようなグラフィックでプレイできる点は魅力的です。オープンワールドですので,美麗な風景を自由に探索できるのも楽しい要素です。戦闘システムは一新され,アクションスタイルになりました。「シフト」によるワープ,戦局に応じた「武器の切り替え」,攻撃をいなして反撃する「パリィ」などなど自由度の高い戦闘は高い評価を受けています特に仲間との連携はスタイリッシュで見ごたえ抜群です。アクションが苦手な方には難しいと感じるかもしれませんが,難易度としては普通です

探索自由度が高いとお伝えしましたが,寄り道も楽しめるのでやりこみ要素は割と多いと思いますサブクエスト,釣り,キャンプや車でのドライブなど広大な世界を堪能することができます。ドライブ中は過去シリーズのBGM(有料)もサウンドトラックとして流すことができます。またゲーム中は仲間が自動で写真を撮影し,宿泊時にその日の写真一覧を見ることができます。もちろん任意での撮影もでき,写真を保存することもできますよ。配信者からはサムネ代わりになると好評だとか。



復活期?(FFXVI,FFXIV,FFVIIリメイクシリーズ)

FFブランド”が没落したといわれるようになり,ユーザー数が黄金期から大幅に減少してしまいました。これに伴い世間からも批判的な目で見られることが多く,敬遠されがちになっていると個人的に感じています。はじめにお伝えした通り,FFは気になったタイトルからプレイしてもOKです。衰退期の影響で「FFはクソゲー」という印象が根付いてしまっていることで新規プレイヤーの参入ハードルも高くなってしまったのでしょうか…。

そんななかでも高い評価を受けたタイトルが近年リリースされています。特に『FFXIV』,『FFVIIRe』はシナリオゲーム性の両面で高評価を受けています。一方で,一部ソフトがPS5専売となったことで販売本数が伸び悩んでいるという側面もあります。売り上げを伸ばすためには良くも悪くも話題となる必要がありますので,一概に悲観はできませんが…FFブランド復活の転機となるのか。今まで敬遠されていた方も,未プレイの方もぜひ実際にプレイして体感してみてください。




FFXVI ―その正義は,何を救うのか―

FFXVI
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★☆☆☆

2023年に発売された本作は国内で約200万本,海外で約300万本を売り上げています。本作はPS5専売ソフトですが,PS5の世界販売台数が4,000万台(国内は400万台)とされるなかでは今ひとつ伸び悩んでいるという印象です。商業的な利益としてはわずかにプラスと推測されています。プロデューサーの吉田氏は「採算は長期的な目線で見ている」と述べています。シナリオは世界を蝕む脅威から世界を救うというものです。中世の世界観で差別が蔓延するなか,世界情勢をも揺るがす冒険の旅が描かれます。ダークファンタジー色の強いシナリオですが,シリーズのなかでも異彩を放つ唯一無二の作品となっています。

戦闘は『FFXV』同様アクションスタイルになります。PS5に移行したことで,戦闘含めた作中どの場面も圧巻の映像美でプレイできます。ただ作風が「デビルメイクライ」のようになり,FFらしさは物足りない印象かもしれません。とはいえ本作のテーマでもある”召喚獣”の力を駆使したド派手なアクションは爽快感があります。そして本作の目玉召喚獣合戦」は特大スケールかつ召喚獣を操作した戦闘が楽しめ,これはFFシリーズで唯一無二の魅力です。もちろんアクションが苦手な方向けのプレイモードも実装されていますので,ゲーム難易度は普通で万人に遊んでいただけます。

サブクエストも充実していて,本編では語られない細やかな描写が盛り込まれています。サブクエストは本編を補填するような役割を担っていて,クリアするとより『FFXVI』を深く理解することができます。本作は少々入り組んだシナリオですので,考察材料にもなるでしょう。もちろん必須コンテンツではなく,ほどほどのやりこみ要素というわけで★2つとしました。



FFXIV ―「ファイナルファンタジー」が,ここにある―

新生FFXIV
  • シナリオ:★★★★★
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★★

『旧FFXIV』は問題点が続出したことでサービス終了の危機を迎えてしまいました。そんななかプロデューサーとして起用された吉田氏はある手法で改革しました。それは”FFらしいイベントで以て旧FFXIVを破壊する”というものでした。実際の映像がこちらになります。

引用:FINAL FANTASY XIV公式チャンネル

突如出現した蛮神バハムートがエオルゼアの地を焼き尽くします。こうして旧作は滅ぼされ,新しく生まれ変わった『新生FFXIV』として冒険の旅が始まります。2013年から再スタートしたMMORPGですが,各種コンテンツ含め全世界で約2,400万本を売り上げ,現在も大型アップデートされています今では「新生エオルゼア」からプレイすることになります。肝心のシナリオですが,コンテンツごとにしっかり作りこまれています。「新生エオルゼア」では滅ぼされたはずの世界が何故再生しているのかを追求するという物語です。MMORPGとは思えないストーリー性の高さは高評価を受け,『FFXIV』の世界を余すことなく楽しめます。ただ追加コンテンツが多く,新規が追いつけないという側面も。

戦闘はMMOならではの戦略性が魅力です。各々がジョブを担い,パーティーバトルで個性を活かして戦います。敵サイドも戦略性を持っていて,さまざまなギミックを駆使してきます。特に高難度レイドになると特殊なギミックが多用され,攻略に何十時間もかかるなんてことも…。本編を楽しむ分には程よい難易度といったところなのでご安心を。

『FFXI』でもお伝えした通り,MMORPGは無限にやりこめるコンテンツが用意されています特に『FFXIV』はさまざまなコラボが実施されているため,バトル以外のやりこみ要素が盛りだくさんです。カジノを楽しんだり,ハウジングに精を出したり…。遊び方はあなた次第!本作はフリープレイすることができ,なんと3つの大型コンテンツまで楽しむことができます!未プレイの方はまずはフリープレイをしてみてください。FFの世界観やシステム,そして本作の魅力を十分に味わえます。光の戦士となって,あなただけのエオルゼア人生を創ってみませんか?




FFVII リメイクシリーズ

2015年に初めて発表された『FFVII リメイクシリーズ』は文字通り『FFVII』オリジナル版をフルリメイクしたタイトルになります。全部で3部作構成になることが発表され,現在『FFVII REMAKE』『FFVII REBIRTH』までリリースされています。シナリオは概ねオリジナル版と同じですが,ところどころ改変されています。このオリジナルからの改変”が物語のコアになります。ですので,『FFVIIリメイクシリーズ』をプレイする際はオリジナル版を履修することをおすすめします!一世を風靡した人気タイトルの復活とあって,大きな話題となっています。

FFVII REMAKE ―生まれる前から伝説―

FFVII REMAKE
FFVII REMAKE INTERGRADE
FFVII REMAKE
FFVII REMAKE INTERGRADE
  • シナリオ:★★★★☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★☆☆☆

2020年に発売された本作はPS4版が先行してリリースされ,2021年にはDLC含めたがPS5にてリリースされました。両タイトル合わせた全世界累計販売本数は700万本を突破しました。シリーズ屈指の大人気タイトルがフルリメイク化されたとあって,かなり売り上げを伸ばしています。やはりFF転換期となったタイトル人気の効果はあるとみえますね。シナリオはオリジナル版全体の10~20%あたりの物語が描かれています。フルリメイクした『FFVII』と新たな世界線のシナリオを楽しめます。もちろん本作だけでも楽しめますが,『FFVII』関連作品を履修しておいた方がより楽しめますよ。

高画質化した本作は戦闘も見ごたえ抜群です。アクションとコマンドをバランスよく取りそろえたシステムで,スピーディーに戦局が移り変わります。魔法や召喚獣,リミット技などオリジナル版でもおなじみの要素が美麗なグラフィックで見られる点は魅力を感じました。特にリミット技を繰り出す際のカメラワークは躍動感があって非常に爽快です。この辺りは長年の月日を経て,技術やシステムの進化を感じられるところでもありますね。

やりこみ要素はそこまでなく,入手できるアイテム類も貴重品というわけでもないです。召喚獣を集めたり,本編の補填要素を回収したりするために寄り道するぐらいでしょう。自由度もあまり高くない点は”一本道感”を感じる方もいるかもしれません。シナリオがしっかりつくりこまれているので,個人的にはあまり気にならない印象でしたが…。



FFVII REBIRTH ―伝説と再び出会う,準備はいいか―

FFVII REBIRTH
  • シナリオ:★★★☆☆
  • 難易度:★★★☆☆
  • やりこみ度:★★★★☆

2024年に発売された本作は全世界累計販売本数が約200万本とされていますが,公式からの発表はありません。『FFVII REMAKE』の続編にあたる本作のシナリオも前述した通り。オリジナル版のシナリオ全体の40~50%あたりの物語が描かれています。改変された世界を体感し,そしてそれによるオリジナル版との歪みを考察できます。しかしネックなのが『FFVII』関連作品を未プレイの場合,理解が追い付かない描写が多いという点です。少なくとも前作はプレイしていた方が良いです。というわけで新規が本作からプレイするのはハードルが高いと思います。今後リリースされるであろう第3作品目も同様のことがいえるでしょう。いまだ情報がない第3作品目ですが,残る50%のシナリオを描くとなると凄まじいボリュームになりそうですが…本当に完結するのでしょうか…?

というのも本作はやりこみ要素がかなり増えていて,寄り道していると100時間近くプレイしていたという声も多いです。特に本作ではキャラクター好感度に関わるサブイベントが盛りだくさんなので,できればプレイしたいところ。本編だけなら50時間もあればクリアできますので,いかにやりこみ要素が多いかがわかります。本作の引き延ばしで第3作品目のボリュームを予想すると,本編だけで100時間以上かかったりするのでは…?あるいは帳尻合わせで『FFVII REMAKE』のように一本道スタンスになってしまうのか。あるいはシナリオ改変でオリジナル版の内容を踏襲しないのか。

戦闘システムは概ね前作と変わりません。新たな要素として「連携アクション」が採用されています。戦闘メンバーの組み合わせに応じて,習得した連携アビリティを発動することができます。特殊なカメラワークでド派手なアクションが見られますよ。前作の良いところはそのまま引き継ぎ,新たなシステムでより戦略性が広がりました。




終わりに

長くなってしまいましたがいかがでしたでしょうか。今回はナンバリングタイトルを中心にFFの歴史と評価をおさらいしました。私はファンとしてあらゆる作品をプレイしてきましたが,極力先入観を排除して評価したつもりです。まとめてみて感じたことは,シナリオの完成度が作品に対する印象を決める傾向があるということですね。RPGの最重要ポイントなので当たり前と思われるかもしれませんが,プレイしてみると改めて実感しました。冒頭にお伝えした通り,FF作品はそれぞれ独自のシナリオになっていますので,ナンバリングは気にせず興味を持ったタイトルからプレイしてもらってOKです。なのでFFを知らない方はシナリオに定評のあるタイトルからプレイしてもらうのが良いかと思います

皆さんは”シナリオの完成度”にはどのような要素を求めますか?これはゲームに限らず,映画やドラマなどにも要求され,一筋縄ではいかない課題でしょう。世界規模のブランドを築き上げたからこそ,求めらるハードルも高くなってしまっているのかもしれません。今回の記事で”ファイナルファンタジー”全体を俯瞰した現状を知ってもらえればと思います。近いうちにナンバリング以外のタイトルについても同様の形式でまとめたいと考えています。もし私の記事でよければ,ファイナルファンタジーについて調べる際の参考にしていただければ幸いです。本記事の内容は以上になります。最後まで読んでいただき,ありがとうございます。




よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次