ディシディアファイナルファンタジーアーケードは2015年にアーケードゲームとして稼働開始しました。(現在はサービス終了)過去作のDFFシリーズを対戦型に昇華し,多数のキャラクターたちを操作できるようになっています。
さらに2018年にはPlayStation4にて『ディシディアファイナルファンタジーNT』として家庭用ゲームに移植されました。こちらでは”何故再び闘争が行われているのか?”といったストーリー面についても描かれています。
先に断わって置きたいのですが,本作はオフラインでも普通に楽しめる作品です。網羅的にFFに触れることができる点がメリットでしょう。まだプレイしたことのない過去作のキャラクターを知るきっかけにもなるタイトルですので,FFシリーズに興味のある方にはおすすめの作品となっています。
概要
ディシディアファイナルファンタジーアーケードは2015年に稼働を開始し,2021年をもってサービスを終了しました。また2018年には移植版として,『ディシディアファイナルファンタジーNT』がPlayStation4にて,2019年にはPCにて発売されました。移植版も3 on 3の対戦型ゲームであることは変わりませんが,一部ストーリーが描かれています。また『DFFNT』のオンラインサービスは現在も継続しています。
おなじみのキャラクターから新規参戦キャラクターまで総勢37名のキャラクターを操作可能。ボイスはもちろんデザインも美麗に一新されています。また各シリーズからステージ・音楽が採用され,これまでのディシディアシリーズを進化させたタイトルです。
主要人物
- マーテリア cv. 真野恵里菜
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コスモスとカオスが消滅し,滅びゆくはずだった世界の復興のために出現した。機械を司る。戦いを仕掛けるスピリタスに対抗すべく,かつての戦いでコスモス陣営だった戦士たちを呼び集める。
- スピリタス cv. 高橋一生
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コスモスとカオスが消滅し,滅びゆくはずだった世界に新たな混沌を広げるために出現した。魔法を司る。かつての戦いでカオス陣営だった戦士たちを呼び集めて戦いを仕掛ける。
各タイトルから多数のキャラクターが参戦しているため,ここでは名前のみの紹介とします。キャラクターの詳細が気になる方は,各タイトル記事の『主要人物』をご覧ください。
タイトル | マーテリアサイド | スピリタスサイド |
---|---|---|
FF I | ウォーリアー・オブ・ライト cv. 関智一 | ガーランド cv. 石井康嗣 |
FF II | フリオニール cv. 緑川光 | 皇帝 cv. 堀内孝雄 |
FF III | オニオンナイト cv. 福山潤 | 暗闇の雲 cv. 池田昌子 |
FF IV | セシル・ハーヴィ cv. 程嶋しづマ カイン・ハイウィンド cv. 山寺宏一 | ゴルベーザ cv. 鹿賀丈史 |
FF V | バッツ・クラウザー cv. 保志総一朗 | エクスデス cv. 楠見尚己 |
FF VI | ティナ・ブランフォード cv. 福井裕佳梨 ロック・コール cv. 小野友樹 | ケフカ・パラッツォ cv. 千葉繫 |
FF VII | クラウド・ストライフ cv. 櫻井孝宏 ティファ・ロックハート cv. 伊藤歩 | セフィロス cv. 森川智之 |
FF VIII | スコール・レオンハート cv. 石川英郎 リノア・ハーティリー cv. 花澤香菜 | アルティミシア cv. 田中敦子 |
FF IX | ジタン・トライバル cv. 朴璐美 | クジャ cv. 石田彰 |
FF X | ティーダ cv. 森田成一 ユウナ cv. 青木まゆこ | ジェクト cv. 天田益男 |
FF XI | シャントット cv. 林原めぐみ | カムラナート cv. 三上哲 |
FF XII | ヴァン cv. 小野賢章 | ヴェイン・カルダス・ソリドール cv. 飛田展男 |
FF XIII | ライトニング cv. 坂本真綾 | スノウ・ヴィリアース cv. 小野大輔 |
FF XIV | ヤ・シュトラ cv. 茅野愛衣 | ゼノス・イェー・ガルヴァス cv. 鳥海浩輔 |
FF XV | ノクティス・ルシス・チェラム cv. 鈴木達央 | アーデン・イズニア cv. 藤原啓治 |
FF T | ラムザ・ベオルブ cv. 立花慎之介 | |
FF 零式 | エース cv. 梶裕貴 |
ストーリー
かつて調和と混沌を司る二柱の神々によって,長い間闘争が続けられていた。闘争は異次元より招かれた戦士たちによって終止符が打たれ,役目を終えた世界は消えゆくはずだった。
ところが新たな二柱の神の力によって,滅びゆくはずの世界が再び息を吹き返すこととなる。機械を司る女神「マーテリア」,魔法を司る男神「スピリタス」。神々は世界に集う光を率いて,戦士たちを呼び集めた。それは新たな闘争の幕開けであり,予兆でもあった。
何故神々は闘争を望むのか,何故戦士たちは呼び集められたのか,徐々に明らかとなる。
戦闘システム
基本的にはこれまでのディシディアシリーズと同様
本作で最も力の入っている要素となります。といっても過去のディシディアシリーズを踏襲しているので,基本的には同じシステムになっています。その一つが「ブレイブ攻撃」と「HP攻撃」の概念です。
- ブレイブ攻撃
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画面下の中央に表示されている数値で,攻撃の大きさを表します。この数値が0より下回るとBREAK状態となり,攻撃力を持たない状態となります。BREAK状態からはブレイブは基本値に自動的に戻ります。
- HP攻撃
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溜めたブレイブ値の分だけHPダメージを与えることができます。HP攻撃がヒットした直後はブレイブ値は0になり,そこから自動的にブレイブ基本値まで回復します。またBREAK状態でHP攻撃を当てた場合はダメージは0になります。
戦闘をサポートする各種EXスキル
本作では,マッチング前に戦闘をサポートする「EXスキル」を2つ装備することができます。EXスキルはレベルアップに応じて順次開放され,全部で23個あります。大きくわけて”バフ系”と”デバフ系”に二分されます。後述しますが,キャラクターごとに特色があり,立ち回り方も変わりますので,自身に合ったEXスキルを選択する必要があります。
マイティストライク | 周囲の味方の攻撃力アップ |
HPリジェネ | 周囲の味方のHPを徐々に回復 |
マイティエナジー | 周囲の味方の移動速度アップ |
フォースブレイク | 周囲の相手の攻撃力ダウン |
バイオガ | ブレイブに継続ダメージを与える魔法を放つ |
スタミナブレイク | 周囲の相手のダッシュゲージをゼロにする |
また各キャラクターごとに「専用EXスキル」を装備していて,サポート系からHPダメージを与えるものなどさまざまです。原作に準じたそのキャラクターのアイデンティティともいえるスキルなので,ファンとしてはうれしい要素です。使い方によってプレイヤースキルがわかるほど重要な要素でもあります。ぜひ一通りプレイしてみてもらいたいですね。
3 on 3の対人戦でキャラごとにタイプが存在
本作最大の特徴はこれまで1 on 1だったディシディアシリーズから3 on 3へと変更された点です。これにより,パーティーメンバーとの連携が重要となるため,各キャラごとにコミュニケーションツールとなるボイスが収録されています。ある程度キャラクターのレベルが上がってくると,原作にあった名ゼリフや迷ゼリフを聴くこともできますよ。
さらに各キャラごとに「タイプ」が与えられていて,キャラの操作性に応じてカテゴリー分けされています。マッチングの際は,チーム内で同じタイプのキャラクターが選出されないように優先して調整されています。
タイプ | 特徴 |
---|---|
HEAVY | ブレイブ攻撃における”カット値”が高く,攻撃同士がかち合った際に押し勝ちやすい。一方で,機動力に欠け,攻撃後の後隙も大きい。 |
SPEED | 機動力が高く,前線を張ったヒット&アウェイ型の戦法がとりやすい。一方で,攻撃の威力は低めに設定されている。 |
SHOOT | 遠距離型の攻撃を多数持ち,攻撃範囲の広さに優れている。一方で,攻撃のカット値は低く,自衛手段が少ないため近接キャラに詰められた際に弱い。 |
UNIQUE | 他のキャラクターにはない特殊な能力を持っている。とりわけ,戦闘中に特定条件を満たすことで性能を発現するものが多い。 |
戦況を大きく変える召喚獣
ブリーフィングで投票決定された「召喚獣」を戦闘中に1度だけ召喚することができます。召喚するためには召喚ゲージを溜める必要があり,敵に攻撃をヒットさせる(効果:小)か召喚コアを破壊する(効果:大)ことで溜められます。召喚コアは30秒ごとにステージ上にランダムで出現します。また召喚獣ごとに召喚ゲージの溜まり具合が調整されています(下記に一覧記載)。
召喚獣を呼ぶときには詠唱状態となり,無防備になってしまいます。同時に詠唱する人数が多いほど召喚時間は短くなり,3人同時に詠唱を行うと瞬時に召喚することができます。
召喚された召喚獣は一定時間自律行動し,ブレイブに大きなダメージを与えてくれます。この間,相手チームは召喚できないため一方的に攻め込むチャンスになります。一定時間後には強力な一撃を放ち,召喚獣は帰還します。また,召喚獣にはそれぞれ効果があり,召喚前後で異なります(下記に一覧記載)。このように召喚獣は”効果”と”サポート”の両面で活躍し,戦局を大きく変える転機になるほど強力な存在です。
シヴァ,リヴァイアサン | 速い |
ラムウ,アレクサンダー | 普通 |
イフリート,オーディン,バハムート | 遅い |
召喚獣 | 召喚前効果 | 召喚後効果 |
---|---|---|
イフリート | ガード耐久力の削り量アップ | 追加でブレイブ攻撃力アップ |
シヴァ | 専用EXスキルの効果時間アップ | 追加で専用EXスキルのゲージ上昇量アップ |
ラムウ | バフ系EXスキルのゲージ上昇量アップ | 追加でバフ系EXスキルの効果時間アップ |
オーディン | ダッシュゲージの最大値アップ | 追加で移動速度アップ |
リヴァイアサン | デバフ系EXスキルのゲージ上昇量アップ | 追加でデバフ系EXスキルの効果時間アップ |
アレクサンダー | ブレイブ基本値への回復速度アップ | 追加で最大HPアップ |
バハムート | BREAKボーナスアップ | 追加でブレイブ基本値アップ |
体験談とファンにはうれしいコンテンツ
私が本格的にプレイし始めたのは2017年からでしたが,アーケード版での最高到達ランク帯は”皇帝でアダマンC”でした。SHOOTタイプの中では癖のあるキャラだったためか,皇帝は使用率が低かったです。SHOOTの役割のひとつである相手の拘束ができない点がそうさせてたのかも…。ただHP攻撃「リペンデンスの棘」はサーチ技として優秀すぎて,重宝してました。
体験談はほどほどにして,ファンには嬉しいコンテンツをご紹介します。DFFNTでは有料コンテンツとなっていますが,各キャラクターごとにアナザーフォーム,アナザーウェポンが実装されています。これらは原作あるいは過去作DFFを再現したものになっていて,FFシリーズをプレイしたことのある方には嬉しい要素です。
各キャラクターごとにフォームは各種3つのカラーバリエーションで3rdまで,ウェポンは5thまで実装されています。自分の好きな組み合わせで戦闘のモチベーションを上げられますね。
少し触れましたが,各キャラごとのボイスもフォームとセットコンテンツになっており,原作の名(迷)ゼリフを聴くことができます。FF I~FF IXまではボイスが実装されていないため,セリフを声優の方々が忠実に読み上げてくれています。コミュニケーションだけでなく,愛着のあるキャラクターのボイスが楽しめるのはありがたいですね。
まとめ
DFFAC/NTは本格的な対戦型アクションとなった作品です。総勢37名のキャラクターを操作でき,個性を活かした戦闘が楽しめます。加えて原作リスペクトしたウェポンやフォーム,ボイスなどさまざまな追加コンテンツも実装されており,ファンとしてはうれしい要素も盛りだくさんです。
アーケード版のサービスは終了していますが,NTは現在もオンラインサービスを継続しています。オンライン要素以外にも,ストーリーを含めたオフライン要素もある程度盛り込まれています。美麗なグラフィックでシリーズを超えた関わりあいが見られるのも本作の特徴です。
過去シリーズを知るきっかけにもなると思いますので,一度プレイしてみてはいかがでしょうか?
- DFFシリーズ初の3 on 3でパーティー戦略が重要視される本格アクション
- 美麗なグラフィックで再現されたステージやキャラクター
- BGMやコスチュームなどFFファンには嬉しいコンテンツ