本作はファイナルファンタジーシリーズ誕生から20周年を記念して制作されました。またそれまでのRPGシリーズから対戦アクションゲームへと変更され,独自の世界観・戦闘システムが構築されました。ドット絵だったキャラクターたちは3Dになり,各キャラクターに声優があてられるなど非常に大がかりな作品となっています。
概要
本作は2008年にシリーズ誕生20周年を記念してPlayStationPortable(PSP)にて発売されました。『FFI』から『FFX』までの総勢20名に加え,『FFXI』『FFXII』から1名ずつ登場し,計22名のプレイヤーキャラクターが操作可能です。”FFファンに向けた作品”といわれるコンセプトとなっていて,発売初週で約50万本を達成しています。
また2009年にはバージョンアップ版として,「ディシディアファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング(DFFUT)」が発売されるなど新境地を切り開いたタイトルとなりました。
DFFシリーズは独自の戦闘システムやシナリオで構成されており,その後の同シリーズにも引き継がれています。各キャラクターの3D化,ボイスの採用,原作でお馴染みの名シーン,スピーディーな戦闘向けにアレンジされた音楽などFFシリーズコンテンツを詰め込んだ作品となっています。ですので,FFシリーズをプレイされたことのあるファンの方には非常におススメの作品となっています。
主要人物
- コスモス cv. 島本須美
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調和を司る神で,いわゆる”ヒーローサイド”の戦士たちを召喚した人物。カオス陣営が作り出した無限の軍勢「イミテーション」の猛攻により,窮地に追い込まれた状況に陥る。わずかに生き残った戦士たちに世界を救うよう助言する。
- カオス cv. 若本規夫
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混沌を司る神で,いわゆる”ヴィランサイド”の戦士たちを召喚した人物。コスモス陣営の共通ストーリーとして,実際に戦闘することになる。COM専用で操作はできない。
No Image
- 大いなる意思 cv. 菅原文太
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本作のナレーションとして登場し,姿はない。のちのタイトル『DDFF012』にてモーグリの姿で登場する。実は『FFI』との関連性があり,コスモスとカオスとの関係性をうかがえる場面がある。
本作は各タイトルからコスモスサイドとカオスサイドで対になるようにキャラクターが登場しています。各キャラクターの詳細は関連記事から各タイトルの記事を参照してください。ここでは各キャラと声優について紹介します。
タイトル | コスモスサイド | カオスサイド |
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FF I | ウォーリアー・オブ・ライト cv. 関智一 | ガーランド cv. 内海賢二 |
FF II | フリオニール cv. 緑川光 | 皇帝 cv. 堀内賢雄 |
FF III | オニオンナイト cv. 福山潤 | 暗闇の雲 cv. 池田昌子 |
FF IV | セシル・ハーヴィ cv. 程嶋しづマ | ゴルベーザ cv. 鹿賀丈史 |
FF V | バッツ・クラウザー cv. 保志総一朗 | エクスデス cv. 石田太郎 |
FF VI | ティナ・ブランフォード cv. 福井裕佳梨 | ケフカ・パラッツォ cv. 千葉繫 |
FF VII | クラウド・ストライフ cv. 櫻井孝宏 | セフィロス cv. 森川智之 |
FF VIII | スコール・レオンハート cv. 石川英郎 | アルティミシア cv. 田中敦子 |
FF IX | ジタン・トライバル cv. 朴璐美 | クジャ cv. 石田彰 |
FF X | ティーダ cv. 森田成一 | ジェクト cv. 天田益男 |
FF XI/FF XII | シャントット cv. 林原めぐみ | ガブラス cv. 大塚明夫 |
ストーリー
調和を司る神「コスモス」,混沌を司る神「カオス」。互いに等しい力を持つ二柱の神は異界の戦士たちを召喚して幾千年もの間闘争を続けていた。その13回目の闘争において,カオスの戦士たちは無限の軍勢「イミテーション」を率いてコスモス陣営を圧倒する。
窮地に追い込まれたコスモスはわずかに生き残った10人の戦士たちに世界を救う鍵「クリスタル」を手に入れるよう助言する。そして戦士たちは己の迷いや葛藤を乗り越え,宿敵との因縁に決着をつける戦いへ挑む。
戦闘システム
本作では1対1のアクション形式になっており,相手のHPを0にした時点で勝利となります。攻撃にはブレイブ攻撃とHP攻撃の2種類が存在し,ブレイブ攻撃は「攻撃の大きさ」を現すのに対し,HP攻撃は「溜めたブレイブポイント分」だけHPダメージを与えられます。このシステムにより,レベルの高い相手に勝利することもできます。
戦闘では,共通して「EXモード」と呼ばれる強力な状態へ変化できます。EXモードでは体力が徐々に回復(リジェネ)し,各キャラごとに固有の能力強化効果が得られます。外見も大幅に変化します。
またEXモード中にHP攻撃をヒットさせると強力な必殺技「EXバースト」が発動できます。EXバーストは各キャラごとに原作で馴染みのある技が発動します。
1試合につき1つのみ装備できる「召喚石」では,戦局を左右する「召喚獣」を呼び出すことができます。召喚獣は特定条件を満たしたときの自動,あるいは任意で発動する手動の2通りがあります。HPに直接効果を与えるものはなく,ブレイブ値に作用します。
体験談(※一部ネタバレあり)
本作はアクションスタイルにあわせた戦闘システムが構築されましたが,これが非常に画期的でその後のタイトルにも採用されています。ブレイブ値の導入により,格上相手でもプレイスキル次第では勝利することができる点はおもしろいと感じました。
私がディシディアシリーズをおススメしたい理由は,FFファンには嬉しい要素が随所に盛り込まれているところです。音楽は原曲あるいはアレンジ版が使用され,「馴染みのあの曲が聴ける」をコンセプトに歴代人気楽曲が楽しめます。キャラに声があてられたことで,ストーリー上のかけあいや戦闘の臨場感も演出されるなど強く印象に残りました。
特に印象的だったのは,戦闘時に見られる原作をプレイされた方には伝わる”遊び心”です。例えば『FFV エクスデス』の場合,EXバースト時には上記画像のように「宇宙の 法則が 乱れる!」というメッセージが表示されます。テキストのデザインも原作を思わせるつくりになっていますね。またこのときシークレットボイスとして,エクスデスが「カメェェェッー!」と叫ぶことがあります。原作をプレイされた方にはわかる名ゼリフですが,何故これが採用されたのか…(笑)。ちなみにシークレットボイスはその他数名にも採用されています。
まとめ
ディシディアファイナルファンタジーはFFファンをターゲットにしたコンテンツですね。特にドット絵だったキャラクターたちが3D化され,さらに操作までできるのはかなり感慨深いと思います。ヴィランサイドの個性豊かなキャラも魅力的で,私はジェクトがお気に入りでした。
今作で構築された戦闘システムは後のディシディアシリーズでも引き継がれ,『DFFAC』では本格的なアーケードバトルが楽しめるようになっています。FFファンとしては次のディシディアシリーズの発売を期待したいところですね。
- ブレイブ攻撃とHP攻撃を主軸にした新しい戦闘システム
- ボイス採用により,かけあいを含め印象的なシナリオが構成されている
- FFファンにはより楽しめるコンテンツが盛りだくさん