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【革新的なシナリオが魅力の作品】FINAL FANTASY IV

FFIV タイトル
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FINAL FANTASY IVは1991年にスーパーファミコンにて発売されました。スーパーファミコンへと移行したことで,演出,音楽,戦闘システムなどさまざまな面で前作から進化しました。さらには個性豊かなキャラクター達が複雑にかかわりあう人間模様が描かれています。こうした背景からシナリオに定評があり,ファンからも人気の作品です。

ちょうどこの頃は”FFの黎明期“ともいわれ,他のRPG作品との差別化が図られていました。前作『FF III』においてはシステム面が評価されましたが,本作はストーリー面が高い評価を受けました。これを機にFF作品は「シナリオの奇数作品」「ストーリーの偶数作品」なんて言われるようになったとか。

FF作品が高い評価を受けはじめ,黎明期から転換期へと移りだすことになります。そんな名作と呼び声高い本作の魅力をぜひ知っていただきたいと思います。




目次

概要

FINAL FANTASY IVは1991年に発売され,PlayStationやGBA(ゲームボーイアドバンス)などに移植されたほか,2007年にはニンテンドーDSで3Dリメイクが発売されました。また2008年には外伝作品『FINAL FANTASY IV The After Years -月の帰還-』が携帯電話アプリ等で配信されました。ゲーム誌ファミ通にて,スーパーファミコン版,GBA版ともに受賞するなど高い評価を受けています。

冒頭でも少し触れましたが,本作はストーリー面に重視したタイトルであり高い評価を受けています。システム面はイマイチだったか?というとそうでもありません。というのも,FFおなじみのアクティブタイムバトル(ATB)システムが初実装されました。この辺りは後述しますね。




主要人物

FFIV セシル
セシル・ハーヴィ cv. 程嶋しづマ

本作の主人公で優しく真面目な性格。バロン王国にて陸兵団の小隊長に暗黒騎士として選出され,その後飛空艇団「赤い翼」の初代団長となる。バロン国王の命を受けて各国が持つクリスタルを強奪してまわるが,そのことに不信感を覚える。王の不興を買ったセシルは団長の任を解かれ,直後にミスト村の幻獣討伐を命じられる。これをきっかけに祖国との決別を決意し,その後は国から追われる身となる。
ストーリー中盤では,試練を受けて己の過去と向き合い,罪を清算して暗黒騎士からパラディンとなる。

FFIV カイン
カイン・ハイウィンド cv. 山寺宏一

バロン王国竜騎士団隊長,数少ない竜騎士の一人でセシルの親友。幼少期に両親を亡くし,幼馴染のローザに片思いしている。秘めた思いを利用され,ゴルベーザの精神支配を受けてしまう。そのため,ストーリー中敵として立ちはだかることになる。
外伝作品では己の心と向き合う試練などがあり,その苦悩が描かれている。

FFIV ローザ
ローザ・ファレル cv. 甲斐田裕子

バロン国直属の白魔導士団の白魔導士であり,幼いころに父親と死別している。セシルとは恋仲だが,孤児であるセシルと貴族である自分との関係を不快に思われている。国から追われるセシルを探してバロン城を飛び出し,セシルと再会するがゴルベーザに攫われてしまう。セシルたちによって助け出されて以降は行動を共にする。
カインとは幼馴染で思いを寄せられているが,当人は気づいていない。

FFIV ローザ
リディア cv. 下屋則子

ミストに住む召喚士の少女。バロン王の策略に騙されたセシルによって故郷を焼かれ,村を守護する召喚獣を使役していた母を亡くしてしまった。このときのトラウマで火の魔法が使えなくなった。当初セシルのことを憎んでいたが,彼の優しさに触れて次第に心を開くようになる。

その後のリディア(※ネタバレあり)
FFIV ローザ

シナリオの途中パーティーからはぐれ,その間は時間の流れが速い幻界にいた。そこで急成長し,危機に陥ったセシルたちのもとに救いに駆け付けて合流する。その美貌はエッジや幻界の長・リヴァイアサンも絶賛するほど。

FFIV ローザ
ギルバート・クリス・フォン・ミューア cv. 堀川りょう

商業国家ダムシアンの第一王子。繊細な人柄で争いを嫌い,王族の身分を捨てて吟遊詩人として各地を放浪していた。セシルが退団後の赤い翼による襲撃を受けて祖国を滅ぼされ,巻き込まれたテラの娘で恋人のアンナを亡くしてしまう。

FFIV ローザ
テラ cv. 納谷悟朗

有名な賢者だが,高齢のため魔力も弱く魔法のほとんどを忘れてしまっている。娘のアンナを溺愛していたが,ギルバートと駆け落ちしてしまう。追ってダムシアンに向かうも,襲撃に巻き込まれたアンナを眼前で亡くしてしまう。以降は娘の敵討ちのために全てを賭けるようになる。

FFIV パロム&ポロム
パロム&ポロム cv. 釘宮理恵

ミシディアの双子の見習い魔導士。弟・パロムはやんちゃで歯にきぬ着せぬ物言いが多く,その度に姉・ポロムから拳骨を食らう。姉・ポロムは大人びた口調のしっかり者で,ミシディア長老の指示でセシルを監視する任務を請け負った。二人はセシルの言動に惹かれ,慕うようになる。

FFIV ヤン
ヤン・ファン・ライデン cv. 玄田哲章

ファブール僧兵団長で人望も厚い快男児だが恐妻家でもある。思慮深い面があり,時には叱咤激励するなど仲間思い。一方で,自己犠牲的な行動をとることもある。

FFIV シド
シド・ポレンティーナ cv. 永井一郎

バロン王国飛空艇整備技師の長。父親を亡くしたセシルやカインを実の息子のように可愛がっている。頑固で言動が荒っぽい生粋の職人気質だが人情に溢れた性格で弟子からの信頼も厚い。

FFIV エッジ
エッジ cv. 石丸博也

忍術を操るエブラーナ王国の王子。エッジは愛称で本名は別にある。自信家で感情の起伏が激しく,年齢に見合わず子供っぽい性格をしている。パーティーのムードメーカーであり,年下達から窘められる事が多い。両親の仇を討つために旅に同行する。

FF4 フースーヤ
フースーヤ cv. 銀河万丈

月の民の眠りを守る番人で,クリスタルの秘密を知る人物。全ての白魔法と黒魔法を使用できる。

ゴルベーザ

飛空艇団「赤い翼」団長の任を解かれたセシルの後任に就いた黒い甲冑の男。就任後はモンスターを利用して,各国のクリスタルを強奪する。ローザを人質にクリスタルを取引するなど幾度となくセシルたちの前に現れる。
配下のモンスターは個性的なものが多く,特に『ゴルベーザ四天王』は戦闘BGMとともに有名である。




ストーリー

FFIV 旅立ち

軍事国家バロン国の飛空艇団「赤い翼」の隊長セシルは水のクリスタルを強奪し,その帰路にあった。しかしセシルは無抵抗な人々に危害を加えてしまったことに罪悪感を抱き,祖国への不信を募らせる。帰国後セシルは王へ真意を問うが,王の怒りを買って「赤い翼」の隊長の任を解かれる。その代わりとして,辺境の村ミストに出没する幻獣の討伐を命じられる。セシルは竜騎士団の隊長で親友のカインと共に旅立つ。
しかし,この任務をきっかけにセシルは祖国との決別を決意する。クリスタルを強奪する理由,それをめぐって繰り広げられる人間関係など真実を求めて壮大な冒険がはじまる。




戦闘システム

今ではおなじみのシステム ”ATBシステム”

FFIV 戦闘シーン

本作では,従来のターン制を廃止し,リアルタイムで戦闘が進む「アクティブタイムバトル(ATB)システム」が導入されています。戦闘に時間の概念が生じたことで,時間経過を利用した特殊攻撃形態・モード変化行動待機時間の有無・長短など戦闘のバラエティ性戦略性が大幅に広がりました。

このシステムはその後さまざまなRPGゲームが影響を受けて採用するようになるなど非常に高い評価を受けました。このシステム導入もあってか,ゲーム難易度としてはかなりの難しさです。プレイしてみると従来シリーズとはかなり印象が変わります。後述しますが,オリジナル版では「イージータイプ」のソフトが発売されるなど話題の作品となりました。

ジョブの代わりにキャラ個性ですみわけ

FF4 ジョブ

戦闘システムは先述したATBシステムの導入以外はシンプルです。それまでジョブや育成によってパーティー内での役割分担をしていましたが,本作ではジョブシステムはありません。そのかわりにキャラクターごとにしっかりと特徴がつけられているため,自ずと役割を意識した戦術になります。またストーリーの関係上メンバーの入れ替りがありますので,パーティーメンバーに応じて戦闘スタイルを工夫する必要があります。

幅広いユーザーに向けた ”イージータイプ”

FFIV イージータイプ

本作はシステム面の革新によってゲーム難易度が高くなってしまうという弊害が見られました。加えてシナリオ序盤はプレイヤー側のステータスが低く,冒頭から難しいと指摘されていました。そこで幅広いユーザー層にプレイしてもらうため,本作発売から3か月後に「イージータイプ」が発売されました。バランス調整のほか,名称変更,隠し通路の可視化など全体的に難易度が下がっています。このほか以下の点が変更されました。

バグ・裏技の修正

特定の操作でアイテムが増殖するバグをはじめ,不具合が修正

一部コマンドの削除

効果が分かりにくく,使いどころの難しい「くすり」,「つよがる」,「うそなき」,「いのり」,「おもいだす」,「がまん」,「ためる」,「せいしんは」といったコマンドが削除

戦闘バランスの調整

敵キャラクターの隊列概念をなくし,どの敵にも物理攻撃で与えられるダメージが均一化,オリジナル版と比較して被ダメージが軽減,特定の手順が必要なバトルはその制限が解除または緩和

一部魔法の削除,名前変更

白魔法「プロテス」,「シェル」,「ディスペル」,隠し召喚魔法「コカトリス」が削除,魔法の効果の大きさを表す指標を数字化(ケアル1→ケアル,ケアル2→ケアルラ)

武器,モンスターの名称変更

分かりづらい名前が変更(「デザートサハギン」→「すなおとこ」,「ラグナロク」→「かみがみのつるぎ」)

トレーニングルームの充実,追加

オリジナル版にあったトレーニングルームの項目が増加し,その他にも新たに増設

アイテム体系の簡略化,入手容易化,一部アイテム追加

特定のステータス異常を回復するアイテムの種類が多かったがこれらを排除し,「万能薬」に統一,入手難度も低下,アイテム価格の低下,武器「こぶたのしない」の追加

開発室の削除

スタッフ達と会話できるゲーム内の隠し要素「開発室」が削除

最終ボスのグラフィック変更

最終ボスが別のグラフィックに変更,またGBA版以降の隠しボスとして登場




体験談(※一部ネタバレあり)

心打たれるストーリーに感涙(ぜひ読んで!)

FFIV 名シーン

私は個人的にこの作品がめちゃくちゃ好きです。ネタバレ回避のため多くは語れませんが,非常に作り込まれたストーリーだと感じました。そう感じさせた要因として,出会いと別れ複雑な人間関係が描かれているためだと考えます。

作品に緩急を与える”出会いと別れ”

FF4 出会いと別れ

本作では多数の登場人物がいます。それはプレイヤーキャラクターだけでなく,その近しい人たちや敵方にもキャラ付けされています。物語を進めると本当に色んな人たちが巻き込まれていきます。それだけの出会いと別れが描写されるわけですが,これがストーリーをドラマチックにしてくれています

加えて”出会いと別れ”は戦闘面にも影響しています。先述したように,キャラごとの役割がすみわけされています。そんなメンバーが加入したり,離脱したりするわけです。メンバー編成によっては苦戦を強いられることもあります。よほどレベリングしていなければ,どの場面もそれなりに苦労するかもしれません。

要所で緩急がつけられることで,物語全体を通して楽しめます。これは映画「君の名は」でも話題になった”感情曲線“のような効果を出しているのでしょう。制作側がこれを意図したかは分かりませんが,ストーリーがおもしろいと評価される要因のひとつなのでしょう。

シナリオに奥行きを生む”複雑な人間関係”

FF4 複雑な人間関係

例えば,主人公のセシルは正義感が強く優しい人柄です。プロローグから王国騎士団長でありながらも命令内容に葛藤するシーンが描かれています。そんな主人公の振る舞いに救われる人・拒絶する人ととらえ方は千差万別です。ファンタジーな世界観ながらも複雑に描かれる人間模様シナリオに浸れる良い要素となっています。

シナリオ後半の戦闘難易度は相当

FF4 高難度な戦闘


戦闘スタイル(ATBシステム)は難しいですが,これぞFFの醍醐味といったものです。これによって敵・味方共に戦術が多様化しました。そして従来シリーズと比べてプレイヤー側に求められる戦闘の難易度も大幅に上がりました。シナリオ序盤は苦戦するとお伝えしましたが…,実はシナリオ後半のレベルも相当です。過剰にレベリングしていれば問題ありませんが,適正レベルでもそれなりに苦戦します(←?!)ただ,このフレキシブルな戦術によって強敵に対しても果敢にチャレンジでき,打ち勝つことも可能になりました。プレイされる際はそれなりのレベリングを心がけることをおすすめします。

高難度タイトルの心強い味方 ”最強装備品の数々”

FFIV 隠しボス
FFIV ドロップ品

本作が高難度であることはイメージしていただけたと思います。そんな過酷な戦いの心強い味方といえば装備品ですよね。消耗しない装備品が一級品になると攻略がグッと楽になります。そんな頼もしい装備品たちはラストダンジョンに数多くあります。ただしそれぞれの装備品を守る隠しボスを撃破しなければなりません。おまけに道中は隠し通路になっているので,アクセスすら一筋縄ではいかないという…。各キャラクターが装備可能な最強装備になるので,できれば全回収しておきたいところ。こんなところでも試練があるなんて…。

またラストダンジョンで出現するモンスターは数々のレアアイテムを持っていて,ドロップ限定のアイテムも存在します。かなり苦労するでしょうが,これらを入手した暁にはクリアはもちろん,クリア後の要素も攻略できますね。

装備品敵キャラクター
村雨白竜
ラグナロクダークバハムート
ホーリーランスブレイグ
リボン×2ルナザウルス,暗黒魔導士
正宗タイダリアサン
飛竜の槍ブルードラゴン,レッドドラゴン
アルテミスの弓月の女神
竜のヒゲブルードラゴン
クリスタルリングレッドドラゴン
ガラスのマスクフェイズ
撃破すると入手できる装備品

やりこみ要素 ”月の遺跡”

FFIV 月の遺跡

本作のGBA版,PSP版などにはクリア後の要素が追加されています。それは”月の遺跡”というダンジョン。ここは各キャラクターごとに試練が用意されていて,クリアすることで各自の最強装備と幻獣を呼び出せる「奥義の書」が手に入ります。しかし挑戦資格を得るには,当該キャラをパーティーに加えてゼロムスを撃破しなければなりません。ですので全員の資格を得るには少なくとも2回ゼロムスと戦うことになります。

各試練ではボスとして色違いの幻獣が登場します。これを撃破すると「奥義の書」が手に入り,これを所持している間は試練への道は閉ざされてしまっています。消費してしまうと再び試練に挑むことができる仕様。そして最深部にはゼロムス:EGが待ち受けています。(どこかで聞いた語感…?)ちょっとストーリー性もありますので,本編だけでは満足できない!という方へのささやかなコンテンツとしてお楽しみください。




まとめ

FINAL FANTASY IVは個性豊かなキャラクターの関わり合いを描いたドラマティックなシナリオになっています。一方でゲーム難易度は比較的高めとやりごたえのあるタイトルです。システム面に力が入れられていたわけではないようですが…,ATBシステムの誕生は大きな実績といえるでしょう。

シナリオ・バトルの両面で高水準な本作は外伝作品が発売されるなど人気タイトルとなりました。外伝作品ではボイスが付いたり,高画質のキャラクターモデルが見られたりと違った楽しさがありますよ。外伝作品については別の記事を書こうと思っています。私は個人的に好きなナンバリングタイトル第3位ですね興味を持った方にはぜひオリジナルと外伝の両作品をプレイしていただきたいです!

FFIVの魅力
  • FFシリーズ初のATBシステムが導入され,戦闘スタイルが多様化
  • キャラクターの個性を前面に出したシナリオが高評価
  • オリジナル版は「イージータイプ」のソフトが発売されるほど高難度




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